
ベトナム中部旅行のハイライト、ホイアンとフエ。二つの世界遺産都市を結ぶ旅を計画中の方へ、「ホイアンからフエまで移動するにはどうすればいいですか?」という疑問に徹底的にお答えします。この記事では、安い行き方から快適な方法まで、全ての移動手段を網羅的に解説。ダナンからフエへのアクセス情報はもちろん、気になる現地の治安や危険エリア、ホイアン名物の灯籠流しの値段まで、旅行者が本当に知りたい情報を詰め込みました。さらに、人気の観光スポットを巡るおすすめモデルコースもご紹介。あなたの旅がよりスムーズで思い出深いものになるよう、最適な移動プランと観光のヒントを提供します。
記事のポイント
- ホイアンからフエへの最適な移動方法がわかる
- 各移動手段の料金や所要時間の目安がわかる
- ホイアンとフエのおすすめ観光スポットがわかる
- ベトナム中部の治安や注意点がわかる
ホイアンからフエへのアクセス方法を解説
移動手段 | 所要時間 | 料金目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
バス | 約3~4時間 | 15万~30万vnd/人 | 最も安いがダナンでの乗り換えが必要 |
列車 | 約3~4時間 | 15万~20万vnd/人 | 景色が美しいがダナン駅への移動と遅延リスクあり |
貸切チャーターカー | 約2時間30分~3時間 | 約150万vnd/台 | プライベートで快適、自由に寄り道できる |
タクシー/Grab | 約2時間30分~3時間 | 約160万~200万vnd/台 | 手軽でスピーディだが料金は高め |
日帰りツアー | 終日 | 約240万vnd/人~ | 手配不要で安心、観光・食事も込み |
ホイアンからフエまで移動するにはどうすればいいですか
世界遺産の街ホイアンから、古都フエへの旅は、ベトナム中部を訪れる多くの旅行者にとってハイライトの一つです。地理的には約130km離れており、この区間をどう移動するかは旅の満足度を左右する重要なポイントになります。残念ながら、ホイアンとフエを直接結ぶ公共のバスや鉄道は運行されていません。このため、ほとんどの移動方法では、まずは中部の経済的中心地であるダナンを経由することになります。
主な選択肢は、バス、列車、貸切チャーターカー、タクシー(Grab)、そして日帰りパッケージツアーの5つです。それぞれの手段には一長一短があり、旅のスタイルによって最適な選択は異なります。例えば、費用を極力抑えたいバックパッカーや学生旅行者ならバスや列車が第一候補となるでしょう。一方、小さなお子様連れの家族旅行や、時間に制約のある短期滞在者であれば、快適さと効率を両立できるチャーターカーやツアーが賢明な選択と言えます。この記事では、それぞれの詳細を深掘りし、あなたの旅に最適なプランを見つけるお手伝いをします。
料金が安い行き方はバスや列車
旅の費用をできるだけ抑えたい方にとって、最も経済的な選択肢がバスまたは列車です。どちらも片道15万vnd(約850円)程度からと、他の移動手段と比較して群を抜く安さが最大の魅力です。時間に余裕があり、現地の雰囲気を味わいながら移動したい方にはぴったりの方法です。
バスでの移動
バスを利用する場合、前述の通り、まずホイアンからダナンの中央バスターミナルへ移動するステップが必要です。ホイアン市内からバスターミナルまでは、タクシーやGrabを利用して約45分、料金は30万〜40万vnd程度が目安です。ダナンのバスターミナルは広く、フエ行きのバス乗り場を探すのに少し時間がかかるかもしれませんが、案内表示を確認すれば問題ありません。「The Sinh Tourist」や「Phuong Trang (FUTA)」といった大手バス会社は、車両も比較的新しく、オンラインでの事前予約も可能なため旅行者におすすめです。バスは日中、1時間に1本程度の頻度で運行されています。トータルの所要時間は、ホイアンからの移動や待ち時間を含めると、約3〜4時間を見込んでおくと良いでしょう。
バス移動の注意点
バスは最も安価な手段ですが、乗り換えの手間と待ち時間が発生するため、時間に余裕を持った計画が不可欠です。また、ローカルバスは冷房が効きすぎていることや、逆に混雑して暑い場合もあるため、体温調節しやすい服装を心がけましょう。
列車での移動
列車での旅は、ただの移動時間ではなく、それ自体が旅の目的となりうる魅力的な体験です。ホイアンには駅がないため、まずダナン駅(Ga Da Nang)へ移動します。ダナン駅からフエ駅までは、ベトナム統一鉄道で約2時間30分〜3時間の道のりです。この路線のハイライトは、何と言ってもダナンとフエの間にあるハイヴァン峠を越える区間です。車窓からは、切り立った崖と青い海のコントラスト、眼下に広がる小さな漁村など、息をのむような絶景が続きます。最高の景色を楽しむなら、進行方向右側の窓側席を予約するのがおすすめです。
列車移動の注意点
ベトナムの鉄道は、残念ながら頻繁に遅延が発生します。30分から1時間程度の遅れは珍しくないため、その後のスケジュールがタイトな方には不向きです。また、人気の路線のため、特に週末や祝日は満席になることもあります。快適なソフトシートを確保するためにも、オンライン予約サイトや現地の代理店を通じて、できるだけ早めに事前予約を済ませておきましょう。
おすすめの快適な移動手段
旅の快適性と時間を何よりも重視する方には、貸切チャーターカーやタクシー(Grab)が最適な選択肢です。これらの方法は、ホイアンで滞在しているホテルのロビーから、フエの目的地の目の前まで、一切の乗り換えなしで移動できる「ドアツードア」のサービスを提供します。これにより、重いスーツケースを持ってバスターミナルや駅の階段を上り下りする必要がなく、非常にスムーズでストレスフリーな旅が実現します。
所要時間はどちらも交通状況によりますが、約2時間30分〜3時間程度。これはバスや列車での移動に比べて、乗り換えの時間がない分、大幅な時間短縮に繋がります。特に、小さなお子様連れで頻繁なトイレ休憩が必要な場合や、ご高齢の方とご一緒の旅行で体への負担を減らしたい場合に、その利便性は最大限に発揮されるでしょう。料金は他の手段より高くなりますが、複数人で利用すれば一人当たりの費用負担を軽減できるため、グループ旅行ではコストパフォーマンスの良い選択肢となり得ます。
プライベートなチャーターという方法
数ある移動方法の中で、旅の自由度とプライベート感を最大限に高めたいなら、運転手付きの貸切チャーターカーが最良の選択です。この方法の最大の魅力は、単なる移動手段ではなく、移動時間そのものを観光の一部としてデザインできる点にあります。自分たちだけの専用車なので、完全に自分たちのペースで旅を組み立てることが可能です。
チャーターカーで立ち寄れる魅力的なスポット
チャーターカーなら、通常のツアーでは訪れないような場所にも気軽に立ち寄れます。例えば、絶景で名高いハイヴァン峠の頂上で車を停めて絶景を独り占めしたり、美しいラグーンが広がるランコー湾のほとりで新鮮なシーフードの昼食を楽しんだり。他にも、カキの養殖で有名なラップアンラグーンや、地元の人々に人気の避暑地であるスオイヴォイ(象の泉)など、興味に合わせて柔軟にルートをアレンジできます。
料金は4人乗りのセダンタイプで片道約150万vnd(約8,500円)からが相場です。予約はホテルのフロントや現地の旅行代理店、またはオンラインのチャーターサービスを通じて行えます。利用する際は、料金に高速道路代やガソリン代が含まれているか、そして希望の立ち寄り場所と所要時間を事前に明確に伝え、合意しておくことがトラブルを避ける上で重要です。
人気のパッケージツアーを利用
海外旅行に不慣れな方や、限られた時間の中で効率よく観光したい方にとって、日帰りパッケージツアーは非常に心強く、便利な選択肢です。「Danang Holic」や「Klook」、「TNKトラベル」といった多くの旅行会社が、ホイアンやダナン発のフエ日帰りツアーを催行しており、インターネットから日本語で簡単に予約が完了します。
これらのツアーの多くは、往復送迎、専門ガイド、主要観光スポットの入場料、そして昼食代まで、旅に必要な要素がすべて含まれたオールインワン形式です。特にフエの王宮や帝陵は、その歴史的背景や建築様式に込められた意味を知ることで、観光の深みが格段に増します。その点で、日本語または英語のガイドによる詳細な解説は、個人旅行では得難い大きな価値をもたらしてくれるでしょう。典型的なツアーでは、朝8時頃にホテルを出発し、カイディン帝陵、フエ王宮などを巡り、フエ名物の宮廷料理風のランチを楽しみ、夕方頃にホテルへ戻るという流れが一般的です。
パッケージツアーのデメリット
唯一の留意点は、団体行動が基本となるため、個人の興味に合わせて自由に行動する時間が限られることです。気に入った場所でもっと長く滞在したり、予定にないお店に立ち寄ったりすることは難しいでしょう。しかし、「手配の手間を省きたい」「安心して観光に集中したい」というニーズには完璧に応えてくれる方法です。
経由地ダナンからフエへのアクセス
前述の通り、ホイアンからフエへの旅において、ベトナム中部のハブ都市であるダナンは極めて重要な中継地です。ホイアンの旧市街やビーチエリアからダナン市内までは、タクシーやGrabを利用しておおよそ40分から1時間程度でアクセスできます。
ダナンに到着後、利用する移動手段によって最終目的地が異なります。
- バスを利用する場合:ダナン市街地の西側にある「ダナン中央バスターミナル(Ben Xe Trung Tam Da Nang)」へ向かいます。市内中心部からは少し離れています。
- 列車を利用する場合:ダナン市街地の中心部に位置する「ダナン駅(Ga Da Nang)」へ向かいます。こちらはアクセスが比較的容易です。
チャーターカーやツアー、タクシーを利用する場合は、ダナンで乗り換える必要はなく、ホイアンの滞在先ホテルから直接フエへ向かいます。これらの車両は、乗客の希望に応じて、所要時間が短い「ハイヴァントンネルルート」か、景色が美しい「ハイヴァン峠ルート」かを選択できる場合がほとんどです。天候が良く、時間に余裕があるなら、ぜひ峠越えの絶景ルートを選んでみてください。
ダナンは美しいビーチリゾートとして急速に発展している都市です。時間に余裕があるなら、ダナンで1泊して、ビーチでのんびりしたり、名物のシーフードを味わったりしてからフエへ向かう、という周遊プランも非常におすすめですよ。
ホイアンからフエ観光と治安ガイド
フエで訪れるべき歴史観光スポット
ベトナム最後の王朝、阮(グエン)朝(1802年〜1945年)の都が置かれたフエは、ベトナム随一の歴史都市です。街の至る所に点在する王宮や帝陵は「フエの建造物群」としてユネスコ世界遺産に登録されており、訪れる者をベトナムの歴史の奥深さへと誘います。
フエ王宮(大内)
阮朝の政治と生活の中心であった広大な王宮で、中国の紫禁城を参考に約2km四方の城壁で囲まれています。壮麗な「午門」をくぐると、皇帝が重要な儀式を執り行った「太和殿」や、皇帝一族の私的な空間であった「紫禁城」の跡地が広がります。ベトナム戦争で多くの建物が破壊されましたが、現在も修復作業が続けられており、その壮大なスケールと歴史の重みを肌で感じることができます。敷地が非常に広いため、電動カートを利用して効率よく回るのも良いでしょう。
カイディン帝陵
第12代皇帝カイディン(在位1916年〜1925年)の霊廟で、フエに点在する帝陵の中でも特に異彩を放っています。コンクリートを多用した外観は西洋のバロック様式のようでありながら、龍などの東洋的なモチーフが配されています。最大の見どころは啓成殿の内部で、壁から天井までが日本の陶磁器やガラスの破片で見事に装飾された、豪華絢爛なモザイクで埋め尽くされています。西洋と東洋の文化が融合した、他に類を見ない独特の美意識を体感できます。
ティエンムー寺
フエ市内を流れるフォーン川のほとりに佇む、フエを象徴する寺院です。高さ21mを誇る八角七層の慈悲塔はあまりにも有名で、フエの絵葉書などにも頻繁に登場します。この寺院は、1963年に政府の仏教弾圧に抗議して焼身自殺した僧侶ティック・クアン・ドックゆかりの寺としても知られ、彼がサイゴンまで運転していった水色のオースチンが現在も境内に展示されています。美しい景観とともに、ベトナム現代史の重要な一幕に触れることができる場所です。
ホイアンの夜の観光と灯籠流しの値段
ホイアンの真の魅力が解き放たれるのは、太陽が沈み、街がランタンの柔らかな光に包まれる夜の時間帯です。黄色い壁の古い建物が色とりどりのランタンで照らし出される光景は、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだかのような幻想的な雰囲気を醸し出します。このノスタルジックな夜景を一目見ようと、世界中から多くの観光客がホイアンを訪れます。
夜のホイアンで最も人気のあるアクティビティが、街の中心を流れるトゥボン川での灯籠流しです。願い事をしながら小さな紙製の灯籠を川面に浮かべると、その光が静かに遠ざかっていく様子は、旅情をかき立てる忘れられない思い出となるでしょう。さらに体験を深めたいなら、手漕ぎのサンパンボートに乗って、川の中からランタンの街並みを眺めるのがおすすめです。
灯籠流しとボートの値段について
灯籠の値段は基本的に交渉制ですが、路上で販売しているものであれば1個あたりおおよそ1万〜2万vnd(約55円〜110円)が相場です。ボートの乗船料も交渉が必要で、こちらも相場は1艘あたり15分〜20分の遊覧で15万〜20万vnd(約850円〜1130円)程度です。乗船前に必ず料金と時間を明確に確認し、合意してから利用するようにしましょう。
夜はアンホイ橋を渡った対岸のナイトマーケットも活気に満ちています。ランタンをはじめとする雑貨や衣類、美味しい屋台グルメなどが並び、散策するだけでも楽しめます。昼間の活気ある港町の顔とは全く異なる、ロマンチックな夜のホイアンを心ゆくまでお楽しみください。
旅行前に確認したい中部の治安
ベトナム中部の主要観光地であるダナン、ホイアン、フエの治安は、全体的に見て非常に良好です。特にダナンは、ベトナム国内でも最も安全な都市の一つとして知られており、地元の人々もその治安の良さを誇りに思っています。ハノイやホーチミンといった大都市の喧騒や交通の激しさと比べると、中部の街はどこも落ち着いた雰囲気が漂っており、比較的リラックスして過ごすことができるでしょう。
ただし、どれだけ安全な場所であっても、海外旅行における基本的な警戒心は忘れてはいけません。観光客を狙ったスリや置き引きといった軽犯罪は、残念ながら皆無ではありません。特に、高価な装飾品を身につけたり、公の場で多額の現金を見せたりする行為は避けるべきです。スマートフォンを操作しながら歩く「ながらスマホ」も、ひったくりの標的になりやすいため注意が必要です。常識的な範囲で行動していれば、トラブルに巻き込まれる可能性は低いですが、最低限の防犯意識を持つことが快適な旅に繋がります。
スリに注意したい危険エリア
治安が良いとされるベトナム中部でも、観光客が集中する特定の場所では、スリや置き引きのリスクが高まります。楽しい旅行を台無しにしないためにも、以下のエリアでは特に手荷物への注意を払いましょう。
特に注意が必要な場所と状況
- 市場(ダナンのハン市場、ホイアンの市場など):特に午前中の混雑する時間帯は、人と体が触れ合う機会が多いため、スリにとっては活動しやすい環境です。バッグは体の前に抱える、リュックサックは前に背負うなどの自衛策が有効です。
- ホイアンの夜の旧市街:ランタンが灯り、多くの観光客でごった返す夜のホイアンは、スリが人混みに紛れやすい場所です。特に日本橋やアンホイ橋周辺では、写真撮影に夢中になっている間に被害に遭うケースも報告されています。
- シクロやバイクタクシーの客引き:すべての運転手が悪質ではありませんが、中には相場を大幅に超える料金を請求してくる者もいます。利用する際は、必ず乗車前に料金を明確に交渉し、合意することが重要です。
これらの場所では、貴重品は服の下に隠せるセキュリティポーチを活用する、ズボンの後ろポケットに財布やスマートフォンを入れないといった、基本的な防犯対策を徹底することが何よりも大切です。少しの心がけで、未然にトラブルを防ぐことができます。
中部周遊のおすすめモデルコース
ダナン、ホイアン、フエの3都市を効率よく、そして深く楽しむためのモデルコースの一例をご紹介します。これはあくまで基本的なプランですので、ご自身の興味や滞在日数に応じて、自由にカスタマイズしてください。
2泊3日 満喫プラン
1日目:ダナン到着 → ホイアン観光午前中にダナン国際空港に到着後、タクシーや事前予約した送迎車でホイアンへ(約45分)。ホテルにチェックインし、荷物を置いたら旧市街へ。まずはチケットを購入し、来遠橋(日本橋)や福建会館などを散策。昼食にはホイアン名物のカオラウやホワイトローズを。夕方からはトゥボン川でサンセットを眺め、夜はランタンが灯る幻想的な街並みと灯籠流しを楽しむ。ホイアン泊。
2日目:フエ日帰り観光朝、ホイアンから日帰りツアーや貸切チャーターカーでフエへ出発(約3時間)。午前中は阮朝王宮(大内)をじっくり見学。昼食はブンボーフエなど、フエならではのローカルグルメを。午後はカイディン帝陵の豪華絢爛な装飾に圧倒され、ティエンムー寺の美しい七層の塔を見学。夕方にホイアンへ戻る。ホイアン泊。
3日目:ダナン観光 → 帰国ホイアンをチェックアウトし、ダナンへ移動。ダナンでは五行山(マーブルマウンテン)に登り、洞窟内の寺院や山頂からの絶景を楽しむ。その後、白い砂浜が続くミーケービーチを散策し、ピンクの外観が可愛らしいダナン大聖堂を見学。フライトの時間に合わせて、市内で最後のお土産探しやベトナムコーヒーを楽しみ、ダナン国際空港へ。
もし日程に4日以上取れるのであれば、世界遺産ミーソン遺跡への半日ツアーを追加したり、ダナンで丸一日を過ごしてビーチリゾートを満喫したりするのも素晴らしいプランです。旅の可能性は無限大ですよ。
計画的な移動でホイアンからフエの旅を
この記事では、ホイアンからフエへの移動手段や、周辺の観光、治安情報について詳しく解説しました。最後に、旅の計画を立てる上での重要なポイントをまとめます。