ベトナム中部の美しい世界遺産、ホイアン。幻想的な灯籠が彩る旧市街や活気あふれる夜市を心ゆくまで楽しんだ後、次に気になるのはダナンへの帰り道ではないでしょうか。ホイアンからダナンへのアクセスには、定番のタクシーや便利な配車アプリのGrab、格安なシャトルバスなど、様々な選択肢があります。しかし、人気の手段はどれか、料金はいくらくらいで、移動にはどのくらい時間がかかるのか、気になる点は多いはずです。特に深夜や早朝の移動となると、何時間みておけば良いのか、どの手段が安いのか、不安に思う方もいるでしょう。この記事では、あなたの旅のスタイルや予算に合わせたおすすめの移動手段を、それぞれのメリット・デメリットと共に詳しく解説します。
記事のポイント
- ホイアンからダナンへの各移動手段の料金と所要時間
- Grabやタクシー、シャトルバスのメリット・デメリットと比較
- 深夜や早朝など時間帯ごとのおすすめ移動方法
- ぼったくりを避け、安全に移動するための具体的な注意点
ホイアンからダナンへの移動手段を徹底比較
夜市と灯籠を楽しんだ後の帰り方
ホイアン観光のハイライトといえば、なんといってもランタンが灯る幻想的な夜の風景です。アンホイ橋のたもとで開かれる夜市は21時半頃まで賑わい、トゥボン川に灯籠を流す体験も日没後から多くの観光客で溢れます。そのため、夜20時以降にホイアンからダナンへ戻るケースが非常に多くなります。
この時間帯の移動で最も一般的なのは、タクシーまたは配車アプリのGrabです。これらの手段は、自分の好きなタイミングで出発できるため、夜のホイアンを最後まで満喫したい方に最適といえます。多くの観光客が同じように移動を始めるため、特に週末の21時から22時頃はドライバーの確保に少し時間がかかることもあります。しかし、基本的には深夜0時を過ぎても比較的簡単に見つけることが可能です。
深夜料金と需要の変動について
ベトナムのタクシーやGrabには、日本のような厳密な深夜割増料金の制度は基本的にありません。ただ、Grabの場合は需要と供給のバランスで料金がリアルタイムに変動する「ダイナミックプライシング」が採用されています。そのため、利用者が集中する時間帯には、通常の日中よりも料金が1.2倍から1.5倍程度に上がることがあります。これは深夜料金というより、混雑料金と捉えると分かりやすいでしょう。
一方、シャトルバスは運行時間が限られており、多くは21時台が最終便となります。時間を気にせずゆっくりと夜のホイアンを楽しみたい場合は、タクシーかGrabをあらかじめ念頭に置いておくと、帰りの心配をせずに観光に集中できます。
世界遺産の旧市街からのアクセス
ホイアンの旧市街(歴史保護地区)は、その美しい街並みを守るため、時間帯によってバイクや車の乗り入れが禁止されています。この規制は観光客の安全を守り、快適な散策を可能にしていますが、移動の際には少し注意が必要です。
車両進入禁止の時間帯
公式な情報によると、毎日午前9時から11時、そして午後3時から夜9時半までの時間帯は、許可車両以外の進入が禁止されています。このため、観光客が最も多く訪れる夕方から夜にかけては、旧市街の中心部までタクシーやGrabを呼び込むことができません。ダナンへ戻る際には、まず規制エリアの外まで歩いて出る必要があります。
乗り物を捕まえるためのおすすめ待機場所
旧市街のどこにいても、まずは車の往来が多い大通りを目指して5分から10分ほど歩くことを想定しておきましょう。以下の場所が、旅行者がよく利用するピックアップポイントです。
- チャン・フン・ダオ(Tran Hung Dao)通り:旧市街の北側を走るメインストリートで、最もタクシーを捕まえやすい場所です。
- ハイ・バー・チュン(Hai Ba Trung)通り:旧市街の西側にあり、こちらも交通量が多いです。
- アンホイ橋を渡った南側のエリア:夜市が開かれるエリアで、橋を渡り切った先の広場付近も車を拾いやすいです。
この短時間の徒歩移動が、ホイアンからのアクセスにおける一つの特徴となります。特に荷物が多い場合や、歩き疲れている場合は、少し手間に感じるかもしれません。ただ、規制エリア外に出れば多くのタクシーが客待ちをしていたり、Grabのドライバーもすぐに見つかったりしますので、過度に心配する必要はありません。
定番で安心なタクシーでの移動
タクシーは、ホイアンからダナンへの移動において、昔から利用されている最も定番の方法です。アプリの操作などが不要で、道端で手を挙げれば乗車できる手軽さが魅力でしょう。特に、スマートフォンの通信環境に不安がある方や、アプリ操作が苦手な方にとっては、最も分かりやすい選択肢となります。
ホイアンからダナンまでの料金は、メーター制ではなく定額料金(固定料金)を設定しているタクシー会社がほとんどです。料金の目安は、4人乗りのセダンタイプで約400,000VND~500,000VND(約2,400円~3,000円)程度です。7人乗りの大型タクシーの場合は、550,000VND~700,000VND(約3,300円~4,200円)が相場となります。
信頼できるタクシー会社を選びましょう
残念ながら、観光客を狙った不当な料金請求(ぼったくり)もゼロではありません。安全に利用するためには、信頼できる大手タクシー会社を選ぶことが非常に重要です。以下の特徴を持つタクシーは、比較的安心して利用できると広く認識されています。
- Mai Linh Taxi(マイリンタクシー):車体が緑色。ベトナム最大手で車両数が多く、ドライバー教育も比較的しっかりしていると評判です。
- Vinasun Taxi(ビナサンタクシー):車体が白色に赤と緑のライン。ホーチミンを中心に展開していますが、ダナンでも多く見かけます。
- Tien Sa Taxi(ティエンサタクシー):車体が黄色。ダナンを拠点とする地元の大手会社で、地域に詳しいドライバーが多いです。
乗車する前に、ドライバーに「Da Nang(ダナン)」と目的地を告げ、料金表を指差しながら「Fixed Price, OK?」と確認するだけでも、後のトラブルを避けるのに有効です。支払いは基本的に現金となりますので、細かいお金を用意しておくと降車時にもたつかずに済みます。
配車アプリGrabを賢く使うコツ
東南アジアで広く普及している配車アプリ「Grab」は、ホイアンからダナンへの移動において、現在最も人気のある手段の一つです。最大のメリットは、乗車前に料金が確定し、アプリ上で決済まで完結できる点にあります。これにより、言葉の壁や料金交渉のストレス、ぼったくりの心配がほとんどなく、非常に安心して利用できます。
料金の目安は、4人乗りの「GrabCar」で約300,000VND~450,000VND(約1,800円~2,700円)程度となり、時間帯や需要によって変動しますが、多くの場合タクシーより少し安くなる傾向があります。大人数であれば、7人乗りの「GrabCar 7」も選択可能です。
Grabを利用するには、ベトナムで使えるSIMカードやポケットWi-Fiなど、安定したインターネット接続環境が必須です。また、日本にいる間にアプリをダウンロードし、電話番号認証とクレジットカード情報登録を済ませておくと、現地で非常にスムーズに利用を開始できますよ。
Grabの基本的な使い方
- アプリを開き、現在地が正しく表示されているか確認します。
- 「どちらまで?」という欄に、ダナンの目的地(ホテル名など)を英語で入力します。
- 「GrabCar」(4人乗り)や「GrabCar 7」(7人乗り)など、希望の車種を選択します。確定料金が表示されるので確認します。
- 「予約」ボタンをタップすると、近くのドライバーとのマッチングが始まります。
- ドライバーが見つかると、ドライバーの名前、顔写真、車両のナンバー、現在地が地図上に表示されます。
- 指定のピックアップ場所で車が来るのを待ち、ナンバーを確認して乗車します。
デメリットとしては、観光客で混み合う時間帯(特に20時~22時頃)や場所では、ドライバーがなかなか見つからない(マッチングしない)場合があることです。その場合は、少し場所を移動したり、数分待ってから再度検索したりといった工夫が必要になることもあります。
節約派に嬉しいシャトルバス
移動費用をできるだけ抑えたい方にとって、シャトルバスは非常に魅力的な選択肢です。複数の会社がダナンとホイアンを結ぶシャトルバスを運行しており、タクシーやGrabに比べて格安で移動できます。
代表的な運行会社としては「Hoi An Express」や「BarriAnn」などがあります。料金は会社や予約時期によって異なりますが、片道130,000VND~150,000VND(約800円~900円)程度が目安です。事前に各社のウェブサイトや、Klookなどの旅行アクティビティ予約サイトからオンラインで予約・決済するのが一般的です。
シャトルバス利用時の注意点
- 運行時間の制限:ほとんどのバスは夜21時~22時頃が最終便です。夜遅くまでホイアンに滞在したい方には向きません。
- 乗車・降車場所の固定:ホイアン側の乗車場所やダナン側の降車場所が指定されています。自分のホテルの近くに停まるとは限らないため、降車場所から最終目的地までのアクセスも考えておく必要があります。
- 時間の不確実性:複数の停留所を経由するため、渋滞などにより到着時間が遅れる可能性があります。時間に余裕を持った計画が必要です。
- 予約システムの課題:公式サイトが英語のみであったり、予約システムが直感的でなかったりするケースも報告されています。予約完了画面のスクリーンショットを保存しておくなどの自衛策も有効です。
また、ダナンの一部の高級ホテル、特に「ハイアット リージェンシー ダナン リゾート & スパ」や「フラマ リゾート ダナン」といった海沿いの大型リゾートでは、宿泊者向けのシャトルバスを運行している場合があります。こちらは有料の場合も無料の場合もありますが、もし対象のホテルに宿泊している場合は非常に便利な選択肢となります。ただし、本数が少なく、前日までの予約が必須な場合がほとんどなので、チェックインの際にホテルのフロントで詳細を確認しておくことが重要です。
一番安い移動手段はどれか
ホイアンからダナンへの移動で、最も安い手段は何か、というのは多くの方が気にするポイントでしょう。結論から言うと、公共の路線バスが最も安価ですが、時間と労力を考慮すると、旅行者にとっては現実的な選択肢とは言えません。
以前はダナンとホイアンを結ぶ直通の黄色い公共バスがありましたが、現在は運行形態が変更され、旅行者が利用するには非常に複雑になっています。ダナンの中心部から郊外のバスターミナルへまず移動し、そこからクアンナム省のバスに乗り換える必要があり、全行程で2時間以上かかることも珍しくありません。料金は合計でも数万ドンと格安ですが、失う時間と労力に見合わないのが実情です。
ローカルな体験を何よりも重視するという方以外は、公共バスの利用は避けた方が無難でしょう。時間と労力を考えると、他の手段を選んだ方が結果的に旅行全体の満足度は高くなります。
したがって、旅行者が利用できる範囲で実質的に最も安い移動手段は、前述の「シャトルバス」となります。料金は片道約800円からと、タクシーやGrabの3分の1から4分の1程度の費用で済みます。時間に制約があり、乗り場まで自力で行く必要がありますが、コストを最優先するなら最適な方法です。
次に安いのは、一人旅限定ですが「Grabバイク」です。料金は120,000VND(約750円)前後と非常に安いですが、40分以上の長距離をバイクの後ろに乗るのは、ベトナムの交通事情を考えると体力的にも安全面でもあまりおすすめはできません。
利便性と価格のバランスが最も取れているのが「Grab」であり、特に2人以上で乗れば一人当たりの負担はかなり軽くなります。
目的別!ホイアンからダナンへの移動完全ガイド
移動にはどのくらい時間が必要?
ホイアンからダナン市内中心部までの距離は、およそ30kmです。移動にどのくらい時間がかかるかは、利用する交通手段やその日の道路状況によって変わってきます。
最も早く移動できるのは、ホイアンの出発地点からダナンの目的地まで直行するタクシーやGrabです。通常であれば40分~50分ほどで到着します。特にホイアンとダナンを結ぶ海岸沿いの道は信号が少なく、スムーズに走行できます。ただし、金曜の夜や週末など、ダナン市内へ入る橋や市街地の交通量が多い時間帯は、最後の数キロで渋滞に巻き込まれることもあり、1時間以上かかるケースも想定しておくと良いでしょう。
一方、シャトルバスの場合は、複数の乗客を乗せるためにダナン市内のいくつかのホテルや指定の停留所を経由することが一般的です。そのため、純粋な乗車時間は約1時間から1時間15分程度と、タクシーより少し長めになります。こちらも交通状況によっては、さらに時間がかかる可能性があります。
移動時間に含まれない「待ち時間」も考慮しよう
実際の移動計画を立てる上では、純粋な乗車時間に加えて、乗り物を見つけるまでの「待ち時間」も考慮に入れることが大切です。旧市街の外れでタクシーを拾う時間や、特に混雑時にGrabのドライバーが見つかるまで10分以上かかることもあります。これらの時間も計算に入れておくと、より正確な計画が立てられます。
スケジュールには何時間見込むべき?
旅行のスケジュールを立てる上で、「結局、移動に何時間見込んでおけば安心か」は重要な問題です。結論として、ホイアンの旧市街を出発してからダナンのホテルに到着するまで、全体で約1時間30分を見ておくと、かなり余裕を持った行動ができます。
この時間の内訳は以下のようになります。
- 旧市街から大通りまでの徒歩移動:約10分
- タクシーやGrabを探して乗車するまでの待機時間:約10分~15分
- ホイアンからダナンまでの乗車時間:約50分~60分
- 予備時間(渋滞など):約5分~15分
シナリオ別の計画例
- ダナンのホテルに戻るだけの場合:夕食後、21時にホイアンを出発すれば、22時半頃にはホテルに到着できる計算です。
- ダナンでナイトクラブなどを楽しみたい場合:より早く移動を開始し、20時頃にホイアンを出発すれば、21時半にはダナンの目的地に到着できるでしょう。
- ダナン空港から深夜便で帰国する場合:これが最も注意が必要です。予期せぬトラブルにも対応できるよう、フライト時刻の最低でも4時間前にはホイアンを出発することを強く推奨します。例えば深夜1時のフライトなら、前日の夜21時にはホイアンを出る、という計画です。
時間に厳しい制約がない場合でも、移動時間は少し多めに見積もっておくのが賢明です。これにより、予期せぬ渋滞やドライバー探しに手間取った場合でも、「まだ時間がある」という心の余裕が生まれ、落ち着いて対応することができるでしょう。
各移動手段の料金はいくらかかる?
ホイアンからダナンへの移動料金は、どの手段を選ぶかによって大きく異なります。いくらかかるのか、具体的な金額を把握しておくことで、予算に合わせた最適な選択ができます。以下に、各移動手段の料金目安を再度まとめました。
移動手段 | 料金目安(VND) | 料金目安(日本円) | 特徴 |
---|---|---|---|
Grab(4人乗り) | 300,000~450,000 | 約1,800~2,700円 | 価格と利便性のバランスが良い。時間帯で変動。 |
タクシー(4人乗り) | 400,000~500,000 | 約2,400~3,000円 | 定額制が多い。手軽だがGrabより少し割高。 |
シャトルバス | 130,000~150,000 | 約800~900円 | 最も安いが、時間と場所に制約あり。 |
Grabバイク | 約120,000 | 約750円 | 1人旅限定。最も安いが長距離で疲れる。 |
上記の日本円は1VND=0.006円で計算した概算です。実際の為替レートによって変動しますので、あくまで目安としてください。
チップについての考え方
ベトナムには、欧米のような厳格なチップの文化はありません。そのため、タクシーやGrabのドライバーに必ずしもチップを渡す必要はありません。特にGrabはアプリ決済なので不要です。ただ、タクシーで現金払いの場合、例えば料金が48万ドンだった際に50万ドン札を渡し、「お釣りはいいよ(No change, thank you.)」と伝える形で、心付けとして渡すのはスマートなコミュニケーションの一つです。もちろん、無理に渡す必要は全くありません。
旅行者に人気でおすすめの移動手段
これまでの情報を総合すると、現在の旅行者に最も人気があり、総合的におすすめできる移動手段は「Grab」です。その理由は、価格、利便性、安全性の3つのバランスが非常に優れているためです。
Grabが支持される理由
- 料金の透明性:乗車前に料金が確定するため、「メーターが不正に上がっているのでは?」「遠回りされているのでは?」といった疑念やストレスから解放されます。これは海外旅行において非常に大きな安心材料となります。
- 手軽さと確実性:現在地から目的地まで、アプリ一つで配車から決済まで完結します。英語が苦手でも、地図上で目的地を指定できるため、ドライバーに口頭で伝える必要がなく、行き先を間違えられる心配がありません。
- コストパフォーマンス:多くの場合、タクシーよりも料金が安く、コストパフォーマンスに優れています。複数人で利用すれば、一人当たりの負担はかなり小さくなり、非常に経済的です。
もちろん、Grabにもデメリットはあります。安定したインターネット環境が必須であることや、時間帯によってはドライバーが見つかりにくいことがある点です。
もしアプリの操作に不安がある方や、複数人で確実かつ快適に移動したい場合は、ホテルのフロントで信頼できるタクシーを予約してもらうのも、次善の策として非常におすすめです。市場価格より少し割高になるかもしれませんが、手配の手間が省け、ホテルの名前で呼んだという安心感も得られますよ。
最終的には、ご自身のスマートフォンの利用状況や、旅のスタイル(価格重視か、利便性重視か)によって最適な手段は変わります。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った方法を選ぶことが、後悔のない旅につながります。
概略:【2025年最新】ホイアンからダナンへの移動手段を徹底比較!料金・時間・予約法のまとめ
この記事では、ホイアンからダナンへの様々な移動手段について解説しました。最後に、あなたの旅行がよりスムーズで快適なものになるよう、要点をまとめます。
これらのポイントを踏まえ、あなたの旅のスタイルに最適な移動計画を立て、ホイアンでの素晴らしい思い出を胸に、快適にダナンへ戻ってください。