ベトナム中部に位置する世界遺産の街、ホイアン。ノスタルジックな古い町並みや、夜を彩るランタンの灯りに憧れ、旅行を計画している方も多いのではないでしょうか。しかし、具体的にどうやって行けばいいのか、日本からの行き方はもちろん、空港からのアクセスも気になりますよね。
特に、多くの観光の拠点となるダナンからホイアンへの移動は、旅の計画の重要なポイントです。タクシーや人気の配車アプリGrab、あるいはシャトルバスなど、どの交通手段を選ぶべきか迷うかもしれません。それぞれの料金や価格はいくらなのか、所要時間はどのくらい見ておけば良いのか、そしてどこで降りるのが観光に便利なのか、疑問は尽きないでしょう。
また、ホイアン観光のハイライトであるランタン祭りや、日帰りでの訪問を考える際の効率的な移動方法、現地での服装など、知っておきたい情報はたくさんあります。ちなみに、ホイアンには電車が通っていないため、移動手段の事前リサーチがより重要になります。この記事では、あなたのそんな疑問に全てお答えします。
記事のポイント
- 日本からホイアンまでの最適なアクセス方法
- ダナンからホイアンへの手段別料金と所要時間
- タクシーやGrab、バス利用時の具体的な注意点
- ホイアン観光を最大限に楽しむためのヒント
日本からのホイアンへの行き方【完全版】
まずは最寄りの空港へアクセス
ホイアンへの旅を計画する上で、まず知っておくべき最も重要な点は、ホイアンには空港がないということです。そのため、空路で向かう場合は、ホイアンから最も近いダナン国際空港(DAD)が旅の玄関口となります。
ダナン国際空港はベトナム中部における最大のハブ空港であり、国際線と国内線の両方が充実しています。空港はT1(国内線ターミナル)とT2(国際線ターミナル)に分かれており、日本からの直行便はT2に到着します。空港内には両替所、SIMカード販売カウンター、カフェ、免税店など必要な施設が一通り揃っているため、到着後に必要な準備を整えることが可能です。
この空港からホイアンの中心部までは、距離にして約30km、車を利用しておおよそ40分から50分で到着します。このように、ホイアン旅行はダナン国際空港へのアクセスから始まります。まずは日本からダナン行きのフライトを確保することが、最初のステップです。
日本からの基本的な行き方
日本からダナン国際空港へ向かう方法は、主に「直行便」と「乗継便」の2つの選択肢があります。あなたの旅行スタイルや予算に合わせて最適な方法を選びましょう。
直行便を利用する場合
現在、東京(成田国際空港)からダナンへは、ベトナム航空がANAとのコードシェア便として直行便を運航しています。最大のメリットは、何と言っても乗り換えの手間がなく、移動時間が短いことです。例えば、午前中に成田を出発すれば、時差のおかげで同日の午後の早い時間にはダナンに到着できます。体力的な負担も少なく、特に短い日程での旅行や、小さなお子様連れの家族旅行の方には非常におすすめできます。
直行便のメリット
移動時間が短く、乗り換えのストレスがないため、時間を有効に使えます。到着後すぐに観光を開始したい方に最適です。
乗継便を利用する場合
一方、ベトジェットエアなどのLCC(格安航空会社)や各国のフルサービスキャリアを利用し、ベトナムの主要都市であるホーチミンやハノイ、あるいはアジアの他都市(香港、ソウル、台北など)を経由してダナンへ向かう方法もあります。乗継便の魅力は、直行便に比べて航空券の価格を抑えられる傾向にある点です。時間に余裕があり、少しでも旅費を節約したい方には良い選択肢でしょう。また、乗り継ぎ時間を長めに設定すれば、経由地での短い観光を楽しむことも可能です。
乗継便の注意点
乗り継ぎ時間が長くなる場合や、遅延による乗り継ぎ失敗のリスクも考慮する必要があります。特にLCCを利用する場合は、航空会社が異なる乗り継ぎだと、預け荷物の再チェックインが必要になることもあります。予約時には、航空会社や乗り継ぎ時間に十分な余裕があるかを確認することが重要です。
フライト時間はどのくらい?
日本からダナンまでのフライト時間は、利用する便によって大きく異なります。旅のスケジュールを立てる上で、この移動時間を正確に把握しておくことは非常に重要です。
結論として、成田からの直行便を利用した場合、所要時間は約5時間半から6時間程度です。偏西風の影響で、往路(日本→ダナン)の方が復路(ダナン→日本)よりも少し時間が短くなる傾向があります。時差も2時間あるため(日本の方が2時間進んでいる)、移動による体への負担は比較的少ないと言えるでしょう。
一方で、乗継便を利用する場合は、経由地や乗り継ぎの待ち時間によって所要時間が大きく変動します。短いものでも8時間程度、長いものだと12時間以上かかることも珍しくありません。なぜなら、航空券の価格は乗り継ぎの利便性と反比例することが多く、安い航空券ほど待ち時間が長くなる傾向があるからです。航空券を予約する際には、価格だけでなく、総移動時間と乗り継ぎ回数をしっかりと確認し、ご自身の体力や旅の目的に合ったフライトを選びましょう。
電車での移動は可能か?
「ベトナムを列車で旅してみたい」と考える方もいるかもしれませんが、残念ながらホイアンには鉄道駅が存在しません。そのため、電車だけでホイアンに直接アクセスすることは不可能です。
ベトナムには首都ハノイと南部の商業都市ホーチミンを結ぶ、全長約1,700kmの南北統一鉄道が走っています。この路線上にダナン駅はありますが、ホイアンへは通じていません。したがって、ホーチミンやハノイから列車でダナン駅まで移動し、そこからタクシーやバスで約45分かけてホイアンへ向かうというルートは理論上は可能です。
旅行者には飛行機がおすすめ
ただ、ベトナムの鉄道はディーゼル機関車が主流で速度が遅く、例えばホーチミンからダナンまでは17時間以上、ハノイからでも16時間以上かかります。車窓からの風景を楽しむという魅力はあるものの、時間を効率的に使いたい旅行者にとっては、飛行機を利用するのが最も現実的で一般的な選択肢です。飛行機なら国内の主要都市からダナンまで1時間半程度で到着します。特別な理由がない限りは、空路での移動を計画することをおすすめします。
人気の観光とおすすめの服装
ホイアン観光を最大限に楽しむためには、訪れる時期と服装の準備が重要になります。気候に合わせた準備で、快適な旅を実現しましょう。
ホイアンの気候とベストシーズン
ホイアンの気候は熱帯モンスーン気候に属し、明確な乾季と雨季に分かれています。観光のベストシーズンは、雨が少なく気候が安定している乾季の2月から7月頃とされています。特に2月から4月は、気温も25℃前後と過ごしやすく、湿度も低いため、街歩きに最適で最も人気のシーズンです。
一方、8月から1月頃は雨季にあたります。特に9月から11月は降雨量が多くなり、台風が上陸したり、トゥボン川の氾濫による洪水が発生したりすることもあります。この時期に旅行を計画する場合は、天気予報をこまめにチェックすることが大切です。
季節ごとのおすすめの服装
服装については、年間を通して温暖なため、基本的に日本の夏のような軽装で問題ありません。通気性の良いTシャツやワンピース、ショートパンツなどが基本となります。それに加えて、以下の点を準備しておくと万全です。
- 日差し・冷房対策:日中の日差しは非常に強いため、帽子、サングラス、日焼け止めは必須です。肌の露出を避けたい方は、UVカット機能のある薄手のパーカーやアームカバーが役立ちます。また、ホテルやレストランなど室内は冷房が効きすぎていることがあるため、羽織れるものが一枚あると重宝します。
- 寺院でのマナー:日本橋の奥にあるお寺(チュア・カウ)や福建會館などの宗教施設を訪れる際は、肩や膝が隠れる服装が求められます。タンクトップやショートパンツの方は、上から羽織るシャツやパレオ、ストールなどを持参するとスムーズに見学できます。
- 雨季の準備:雨季に訪れる場合は、突然のスコールに備えて折りたたみ傘や撥水性のあるジャケット、レインコートを用意しましょう。道が冠水することもあるため、濡れても良いサンダルや、すぐに乾く素材の靴が便利です。
足元は石畳の道を歩くことが多いので、ヒールのある靴よりは歩きやすいスニーカーやフラットサンダルが断然おすすめです。快適な服装で、美しいホイアンの街並み散策を楽しんでくださいね。
ダナンからのホイアンへの行き方【手段別】
ダナンからホイアンへの移動
ダナンに滞在している、あるいはダナン空港に到着した後、ホイアンへ向かうための移動手段はいくつか選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の予算や人数、時間的な制約に合わせて最適な方法を選びましょう。
主な移動手段は、タクシー、配車アプリのGrab、シャトルバス、そしてツアーに参加するという4つの方法です。プライベートな空間で快適に移動したいならタクシーやGrab、コストを抑えたいならシャトルバスが有力な候補となります。一人旅で究極にコストを抑えたいならGrabバイクという選択肢もありますが、長距離のため安全性も考慮して慎重に選びましょう。
以下の表で各移動手段の概要を比較しましたので、参考にしてください。
移動手段 | 所要時間(目安) | 料金(目安/片道) | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
タクシー | 約40~50分 | 40万~50万VND | ドアツードアで快適・好きな時間に出発可能 | 料金交渉が必要な場合がある・ぼったくりのリスク |
Grab | 約40~50分 | 30万~40万VND | 料金が事前に確定・アプリで完結し手軽 | 時間帯により車が捕まりにくい場合がある |
シャトルバス | 約60分 | 8万~15万VND | 料金が非常に安い | 運行時間が決まっている・乗降場所が限定的 |
ツアー/チャーター | プランによる | プランによる | 往復送迎付きで安心・ガイド付きで効率的 | 料金が割高・自由度が低い |
※料金や時間はあくまで目安です。交通状況や利用する会社、時間帯によって変動します。
日帰り旅行の交通手段
ダナンからホイアンへは日帰りで訪れることも十分に可能です。日帰り旅行を計画する場合、限られた時間を有効に使うために、交通手段の選択がより重要になります。
自由度を優先するならタクシー・Grab・チャーター車
日帰りで最もおすすめなのは、タクシーやGrabを片道、あるいは往復で利用する方法です。バスに比べて費用はかかりますが、出発時間や滞在時間を完全に自由に決められます。夕食を食べて夜のランタンの景色をゆっくり楽しんだ後、好きな時間にダナンへ戻れるのは大きなメリットです。
また、複数人での旅行なら、車を時間で貸し切るプライベートチャーターも非常に便利です。料金は高くなりますが、途中で五行山(マーブルマウンテン)などの観光地に立ち寄ることも可能で、オリジナルの旅程を組むことができます。
手軽さと効率を求めるならツアー
もっと手軽に、かつ効率的に観光したい方には、ダナン発のホイアン半日ツアーや一日ツアーに参加するのも良い選択です。往復の送迎はもちろん、食事や観光、ランタン流し体験などがセットになっているプランも多く、自分で手配する手間が省けます。特に初めてホイアンを訪れる方にとっては、ガイドの説明を聞きながら安心して観光に集中できるでしょう。
行きと帰りで違う手段を使うのも賢い方法です。例えば、行きはローカルな雰囲気を味わいながらバスで向かい、帰りは夜遅くなるので快適なタクシーを利用する、といった組み合わせも可能ですよ。
タクシー料金の目安はいくら?
ダナンからホイアンまでタクシーを利用する場合、料金の目安は片道でおおよそ400,000VND(約2,400円)から500,000VND(約3,000円)程度です。多くのタクシー会社では、この区間を定額料金に設定している場合があります。
乗車する際には、ドライバーに「To Hoi An, fixed price? How much?」などと、定額料金かどうかを確認することをおすすめします。メーターを利用すると、交通渋滞などによっては定額より高くなる可能性があるからです。特に空港から乗車する場合は、客引きではなく正規のタクシー乗り場(Mai LinhやVinasunなどのカウンターがある場所)から乗車するようにしましょう。
信頼できるタクシー会社を選び、トラブルを避ける
ベトナムでは、残念ながら観光客を狙った不当な料金請求を行う悪質なタクシーも存在します。安心して利用するためには、信頼性の高い大手タクシー会社を選ぶことが非常に重要です。
- Mai Linh(マイリン):車体が緑色。ベトナム全土で展開する最大手の一つ。
- Vinasun(ビナサン):車体が白色に赤と緑のライン。主に南部で強いがダナンでもよく見かける。
- Tien Sa(ティエンサ):車体が黄色。ダナンを拠点とする地元では有名な会社。
これらの会社のタクシーは比較的安心ですが、それでも乗車前に料金を確認し、Google Mapsなどでルートを確認しながら乗車する習慣をつけておくと、よりトラブルを避けられます。
Grabの価格と便利な使い方
東南アジアで広く普及している配車アプリ「Grab(グラブ)」は、ダナンからホイアンへの移動においても非常に便利で人気の手段です。事前に日本でアプリをダウンロードし、電話番号認証とクレジットカード情報の登録を済ませておきましょう。
Grabを利用する最大のメリットは、乗車前に料金が確定することです。アプリ上で行き先を入力すると料金が表示され、その金額以上を請求される心配がありません。そのため、タクシーで懸念される料金交渉や遠回り、ぼったくりの心配がなく、安心して利用できます。
Grabの価格と車種
価格はタクシーよりも安くなる傾向があり、片道で300,000VND(約1,800円)から400,000VND(約2,400円)が目安です。ただし、ラッシュアワーや雨天時には需要に応じて価格が変動します。
Grabでは、目的に応じて様々な車種を選択できます。
- GrabCar: 通常の4人乗りセダン。最も一般的です。
- GrabCar 7: 7人乗りのミニバン。グループや荷物が多い場合に便利。
- GrabBike: バイクタクシー。最も安価ですが、安全性や天候を考慮する必要があります。
便利な使い方と注意点
使い方は非常にシンプルで、目的地を入力し、車種と支払い方法を選んで配車を依頼するだけです。ドライバーと直接言葉を交わす必要がほとんどなく、支払いもアプリ内で完結するため、言語に自信がない方でも手軽に利用できます。
Grab利用時の注意点
Grabを利用するにはインターネット接続が必須です。現地のSIMカードを購入するか、日本からポケットWi-Fiをレンタルしていきましょう。また、夜のホイアン旧市街周辺は混雑し、車両通行規制もあるため、少し大通りに出てから配車を依頼するとスムーズに車が見つかります。
シャトルバスはどこで降りる?
コストを最優先に考えるなら、シャトルバスが最も経済的な選択肢です。シャトルバスには、主に「ホテルが運行するもの」と「旅行会社が運行するもの」の2種類があります。
ホテル運行のシャトルバス
ダナンの海岸沿いにある大型リゾートホテル(例:ハイアットリージェンシー、フラマリゾートなど)では、宿泊者向けにホイアン行きのシャトルバスを運行していることがあります。中には無料で利用できるホテルもあり、非常にお得です。ただし、運行本数が1日に1〜2往復と少なかったり、事前予約が必須だったりする場合がほとんどです。利用を考えている方は、宿泊予定のホテルに運行の有無や時刻表、料金、予約方法を事前に問い合わせておく必要があります。
旅行会社運行のシャトルバス
「Hoi An Express」などが、ダナン市内やダナン空港とホイアンを結ぶシャトルバスを運行しています。こちらは1日に複数便があり、比較的柔軟に利用できます。料金は片道150,000VND(約900円)程度で、公式サイトから事前に予約・決済が可能です。ダナン側の乗車場所はダナン空港国内線ターミナルや指定のオフィス、ホイアン側の降車場所も中心部のオフィスなど、決まっています。
降車場所の注意点
どちらのシャトルバスを利用する場合でも、降車場所は指定のバス停やオフィスになります。ホイアンの旧市街は時間帯によって車両の乗り入れが禁止されているため、中心部の目的地まで5分から10分ほど歩く必要があることを覚えておきましょう。事前に地図アプリなどで降車場所から目的地までのルートを確認しておくと安心です。
ランタン祭りの開催日をチェック
ホイアンの夜を幻想的に彩る「ランタン祭り」は、この街を訪れるならぜひ体験したいハイライトイベントです。この祭りは、毎月旧暦の14日の夜に開催されます。新月(旧暦1日)の14日後、つまり満月の夜にあたります。
祭りの夜になると、19時頃から旧市街の家の電灯は一斉に消され、代わりに色とりどりのランタンの優しい明かりだけが古い街並みを照らし出します。アンホイ橋を渡った対岸のナイトマーケットもランタンで埋め尽くされ、街全体が幻想的な雰囲気に包まれます。多くの人々が願いを込めてトゥボン川に灯篭(ホアダン)を流し、その無数の光が水面を揺らめく光景は、息をのむほどの美しさです。
ランタン祭りの楽しみ方
- 開催日:毎月、旧暦の14日の夜(19:00頃~21:30頃)
- 場所:ホイアン旧市街一帯
- 体験:トゥボン川での灯篭流し(灯篭一つ約10,000VND)、手漕ぎボート乗船(料金交渉制)
もしあなたの滞在日が旧暦14日に重なるなら、幸運です。祭りの日は通常よりも多くの人で大変混雑しますが、それ以上に忘れられない思い出になるでしょう。旧暦の日付は毎年変わるため、旅行前に必ずインターネットなどで開催日を調べておくことを強くおすすめします。また、混雑のため、レストランや帰りの交通手段は早めに手配しておくと安心です。
概略:もう迷わないホイアンへの行き方!ダナンからのアクセスと料金まとめ
この記事では、日本からホイアンへの行き方、そしてダナンからのアクセス方法について詳しく解説しました。最後に、旅の計画に役立つ重要なポイントをリストでまとめます。