
ベトナムの世界遺産の街ホイアン。その夜を幻想的に彩るナイトマーケットへの訪問を計画し、詳細な情報を探しているのではないでしょうか。初めてのホイアン旅行で失敗や後悔をしたくない、限られた時間で効率よく楽しみたい、という方のために、この記事では必要な情報を余すところなくお届けします。
ホイアンのナイトマーケットの開催場所や旧市街からのアクセス方法、いつ開催していて何時から何時まで楽しめるのかという基本的な時間に関する情報はもちろんのこと、マーケットでの食事で味わいたい人気の食べ物や、旅の記念に欠かせないおすすめのお土産についても詳しく解説します。また、灯篭流しなどの体験にかかる料金や費用、お土産の価格がいくらくらいなのか、といった予算に関する疑問にもお答えします。さらに、月に一度のランタン祭りとの違いや、ダナンからの便利なツアー情報まで、あなたの知りたい情報を網羅しました。この記事を読めば、ホイアンの夜を最大限に楽しむための準備が整います。
記事のポイント
- ナイトマーケットの開催場所や時間などの基本情報
- おすすめのお土産や屋台グルメの選び方と楽しみ方
- 灯篭流しやショッピングにかかる料金や費用の目安
- 混雑を避けるコツや季節ごとの注意点
押さえておきたいホイアンのナイトマーケット基本情報
ナイトマーケットを最大限に楽しむためには、まず基本的な情報を押さえておくことが大切です。ここでは、開催場所から営業時間、混雑状況まで、訪れる前に知っておきたい必須情報を詳しく解説します。
ナイトマーケットの開催場所
ホイアンのナイトマーケットが最も活気を見せるメイン会場は、世界遺産に登録されている旧市街から「アンホイ橋」を渡った対岸に位置するアンホイ島です。
具体的には、アンホイ橋を渡ってすぐ左手から始まる「グエンホアン(Nguyen Hoang)通り」がその中心地となります。この通り沿いには数百メートルにわたって、ランタン店、雑貨店、衣料品店、そして食べ物の屋台が所狭しと軒を連ね、まさにお祭りのような賑わいを見せています。旧市街の静かで歴史的な雰囲気とはまた違う、エネルギッシュなホイアンの夜の顔を体験できるでしょう。
旧市街側、特にトゥボン川沿いのバクダン通りでもいくつかの屋台やお店が出ていますが、規模や店舗数、そして人の賑わいはアンホイ島側が圧倒的です。ホイアンの夜を象徴する、無数のランタンが輝く華やかな光景を写真に収めたい、あるいは活気ある雰囲気を満喫したいという方は、迷わずアンホイ橋を渡ってアンホイ島側へ向かうことをおすすめします。
旧市街からのアクセス方法
ナイトマーケットのメイン会場であるアンホイ島へは、ホイアン旧市街の中心部から非常に簡単に、そして短時間で歩いてアクセスすることが可能です。
移動の基点として最も分かりやすいのが、旧市街のランドマークである「来遠橋(日本橋)」です。ここからの道順は以下の通りです。
- まず、旧市街の中心にある来遠橋(日本橋)を目指します。
- 橋を背にして南(トゥボン川の方向)へ進むと、川沿いを走る「バクダン通り」に出ます。
- バクダン通りを東(左手方向)へ少し歩くと、夜には鮮やかにライトアップされた「アンホイ橋」が見えてきます。
- そのアンホイ橋を渡りきれば、そこはもうナイトマーケットの活気あふれるエリアです。
旧市街の中心部からマーケットの入り口までの所要時間は、ゆっくり歩いてもおよそ3分から5分程度です。ナイトマーケットが開催される時間帯は、周辺一帯が歩行者専用エリアとなるため、タクシーやシクロ(自転車タクシー)でマーケットの目の前まで行くことはできません。旧市街の美しい夜景や川沿いの雰囲気を楽しみながら、散策がてら徒歩で向かうのが最も一般的なアクセス方法となります。
マーケットはいつ開催している?
ホイアンのナイトマーケットは、週末限定や期間限定のイベントではなく、基本的に毎晩開催されています。
これはホイアンという街が、日中の歴史地区散策に加えて、ランタンが灯る夜の幻想的な景観そのものを大きな観光資源としているためです。そのため、旅行者は自身の滞在スケジュールに縛られることなく、好きな日の夜にいつでもマーケットの賑わいを楽しむことができます。
ただし、いくつか注意しておきたい点が存在します。一つは、ベトナムの旧正月にあたる「テト」の期間です。この期間は、帰省したり家族と過ごしたりする店主が多いため、休業する屋台が増える可能性があります。
もう一つは天候です。ホイアンの雨季にあたる9月下旬から12月頃は、激しいスコールに見舞われることがあります。小雨程度であれば多くの屋台は営業を続けますが、旅行者の安全確保が難しくなるほどの暴風雨や台風が接近した際には、営業店舗が大幅に減少したり、開催そのものが中止になったりすることもあり得ます。訪問予定の時期が現地の雨季にあたる場合は、天気予報もこまめにチェックしておくと、より確実な計画を立てられるでしょう。
具体的な開催時間をチェック
ナイトマーケットの開始時間には厳密なルールが定められているわけではありませんが、多くの屋台は日没に合わせて18:00頃からゆっくりと営業の準備を始めます。
空が夕焼けから深い藍色へと移り変わり、街の至る所でランタンに明かりが灯され始めるのに呼応するように、マーケットも徐々にその姿を現します。18:30頃にはちらほらと営業を始める店が見られ、19:00を過ぎる頃にはほとんどの屋台が開店し、多くの観光客で賑わいを見せ始めます。
時間帯ごとの雰囲気を楽しむのもおすすめです。開店直後の18時台はまだ人もまばらで、のんびりとした空気が流れています。19時を過ぎると、ランタンの光が夜の闇に一層映え、ロマンチックなムードが高まります。そして20時以降は、人々の話し声や美味しい食べ物の香り、音楽などが混じり合い、活気は最高潮に達します。自分の旅のスタイルに合わせて訪れる時間を調整できるのは、毎晩開催のナイトマーケットならではの魅力です。
営業終了は何時まで?
ホイアンナイトマーケットの屋台は、一般的に22:00頃になると、少しずつ店じまいの準備を始めます。
観光客の賑わいのピークタイムが過ぎ、人通りが落ち着き始めるこの時間帯が、一日の営業を終える目安となっているようです。22:30を過ぎると営業している屋台の数は目に見えて減少し、23:00にはほとんどの店が完全に営業を終え、通りは祭りの後のような静けさを取り戻します。
ただし、これはあくまでマーケットの屋台に関する時間です。ナイトマーケットが開催されているグエンホアン通りやその周辺には、お洒落なレストランやカフェ、落ち着いた雰囲気のバーなどが数多く軒を連ねています。これらの店舗の中には、深夜0時を過ぎても営業しているところも少なくありません。したがって、ナイトマーケットで買い物を楽しんだ後に、もう少しホイアンの夜を満喫したいと感じた場合でも、過ごす場所に困ることはないでしょう。
混雑しないおすすめは何時頃?
ナイトマーケットの活気あふれる雰囲気は大きな魅力ですが、人混みが苦手な方や、自分のペースでゆっくりと見て回りたい方もいるでしょう。そのような方には、開店直後の18:00から19:00頃に訪れることを強く推奨します。
この時間帯は、まだ多くの観光客がホテルで休憩していたり、レストランで夕食を取っていたりするため、マーケット内の人通りは比較的少なく、快適に散策できます。各屋台の商品をじっくりと吟味したり、店主との価格交渉に集中したりするのにも最適です。また、ホイアン名物のランタンを背景に記念撮影をしたい場合も、早めの時間帯であれば他の人の写り込みを気にすることなく、満足のいく一枚を狙いやすいでしょう。
一方で、19:30を過ぎると人出は急速に増え始め、20:00から21:00にかけて混雑はピークに達します。特に観光のハイシーズンや週末は、思うように前に進むのが難しいほどの賑わいを見せます。この熱気も旅の醍醐味ではありますが、スリなどの軽犯罪に対する注意は一層必要になります。早めの時間のメリットは空いていること、ピークタイムのメリットは活気を最大限楽しめること、それぞれの特徴を理解した上で訪れる時間を決めるのが賢明です。
ホイアンのナイトマーケットの楽しみ方と予算を解説
ナイトマーケットの魅力を最大限に引き出すためには、何ができて、何にいくらかかるのかを事前に知っておくことが鍵となります。お土産選びからグルメ、体験アクティビティ、そして気になる予算感まで、具体的な楽しみ方を詳しく解説します。
人気のお土産とおすすめグッズ
ホイアンのナイトマーケットは、まさに「お土産の宝庫」です。ホイアンでしか手に入らないユニークで魅力的な品々が、手頃な価格で手に入ります。数ある商品の中から、特におすすめのグッズをいくつかご紹介します。
色鮮やかなランタン
ホイアンを訪れた記念として、最も象徴的なお土産はやはりランタンでしょう。赤、黄、青、緑と色とりどりで、形も丸いものからひょうたん型まで様々です。多くは竹とシルクなどの布で作られており、骨組みを畳めるタイプのものが主流なので、スーツケースに入れて持ち帰るのも比較的簡単です。購入する際は、布が破れていないか、骨組みに歪みがないかをよく確認しましょう。日本でインテリアとして飾る際は、熱を発しにくいLED電球を使うと安全です。
手仕事の温かみが伝わる刺繍製品
ベトナムの伝統的な手刺繍が施されたポーチや巾着、バッグなども、女性を中心に絶大な人気を誇ります。蓮の花やトンボ、アオザイを着た女性など、ベトナムらしい風情あるモチーフが丁寧に刺繍されています。品質は様々で、機械刺繍と手刺繍のものがあります。手刺繍のものは価格が少し高くなりますが、その分、温かみと立体感が感じられます。裏側の糸の処理が丁寧なものを選ぶのが、長持ちさせるコツです。
ユニークな雑貨類
他にも、ナイトマーケットには面白い雑貨がたくさんあります。ホイアン名物の麺料理「カオラウ」や「バインミー」を精巧に再現した食品サンプルキーホルダーは、話のネタになること間違いなしです。また、南国らしいウォーターヒヤシンス(ホテイアオイ)を編んで作られたカゴバッグは、デザインも豊富ですが、持ち手や底の部分が頑丈に作られているかをよく確認してから購入すると良いでしょう。
屋台での食事と名物の食べ物
ナイトマーケットのもう一つの大きな楽しみは、なんといっても食べ歩きです。五感を刺激する香りに誘われて、様々なB級グルメに挑戦してみましょう。
まず試してほしいのが、豊富な種類の串焼きです。港町ホイアンならではの新鮮なタコやイカを炭火で焼いた海鮮串は、プリプリとした食感と、ベトナム風の甘辛いヌックマム(魚醤)ベースのソースが絶妙に絡み合い、後を引く美味しさです。豚バラ肉や鶏肉の串焼きも定番で、日本の焼き鳥に近い感覚で楽しめます。
甘いものが食べたくなったら、ココナッツミルクをベースにしたベトナムの伝統的なスイーツ「チェー」がおすすめです。豆類やタピオカ、フルーツなど様々な具材が入っており、屋台によって味が異なるので、食べ比べてみるのも一興です。また、散策で乾いた喉を潤すには、マンゴーやパッションフルーツなど、南国ならではのフルーツを使ったフレッシュジュースが最適です。
衛生面で少し気になるという方は、注文を受けてから調理してくれる、火がしっかり通ったものを選ぶとより安心感があります。
ショッピングの価格と費用目安
ホイアンのナイトマーケットでは、ほとんどの商品に値札が付いていません。つまり、価格は店主との交渉によって決まります。この価格交渉こそ、東南アジアの市場での買い物の醍醐味であり、上手にできれば非常にお得にショッピングを楽しめます。
一般的に、近隣都市ダナンのハン市場などで同じような商品を購入するよりも2〜3割ほど安価なことが多いようです。以下に、いくつかの商品の価格目安を提示しますが、あくまで交渉の出発点として参考にしてください。
※為替レートは常に変動します。
値段交渉を成功させるコツは、まず笑顔でコミュニケーションを取ることです。「Bao nhiêu?(バオニュー?/いくらですか?)」とベトナム語で尋ねてみると、相手の反応も和やかになるかもしれません。提示された額が高いと感じたら、電卓でこちらの希望額を提示するのがスムーズです。言い値の半額から7割程度の額から交渉を始め、お互いの妥協点を探っていくプロセスを楽しみましょう。複数の商品をまとめて買うことを条件に、総額からの割引をお願いする「まとめ買い交渉」も非常に有効な手段です。
灯篭流し体験の料金はいくら?
夜のトゥボン川に、願いを込めた無数の灯篭がゆらゆらと浮かぶ光景は、ホイアンで最もロマンチックな体験の一つです。この灯篭流しは、驚くほど手軽な料金で誰でも参加することができます。
まず、川に流すための灯篭自体は、トゥボン川沿いを歩いている物売りの人々から購入します。価格は交渉次第な面もありますが、1つあたりおおよそ10,000VND(約65円)から20,000VND(約130円)が相場となっており、非常に安価です。
さらに特別な思い出を作りたい方には、手漕ぎのボートに乗って川の中心部から灯篭を流す体験がおすすめです。このボートの料金も交渉制ですが、15分から20分程度の遊覧で、1艘あたり約150,000VND(約980円)前後が一般的な目安です。乗船前には、必ず料金と遊覧時間について船頭さんと明確に合意しておくことが、後のトラブルを避けるために重要です。複数の船頭さんから声をかけられますが、焦らずに何人かと話してみて、納得のいく条件のボートを選びましょう。
ランタン祭りとの関係について
ホイアン旅行を計画する際、多くの人が耳にする「ランタン祭り」と、毎晩開催されている「ナイトマーケット」。この二つは密接に関連しているように見えますが、厳密には異なるイベントです。その違いを正しく理解しておくことが、旅の満足度を高める鍵となります。
ナイトマーケットは、これまで述べてきた通り、アンホイ島を中心に毎晩開催される商業的な性格の強い夜市です。ランタンや雑貨のショッピング、屋台グルメなどを楽しむことができ、常に活気に満ちあふれています。
一方で、ランタン祭りは、毎月、旧暦の14日の夜に開催される伝統的で文化的な催しです。この日の夜になると、ホイアン旧市街一帯の歴史的建造物や店舗の電気照明が一斉に消され、街全体が大小様々なランタンの柔らかな光だけで照らし出されます。これにより、普段よりも一層幻想的で、静かで、ノスタルジックな雰囲気が街を包み込みます。この日、ナイトマーケットも通常通り開催されますが、ランタン祭りの影響で普段以上の混雑となることが多いです。
要するに、ランタンが彩る美しい夜景は毎晩楽しめますが、街全体の電気が消えるという、より非日常的で特別な体験をしたいのであれば、旧暦14日のランタン祭りの日に合わせてホイアンを訪れる必要があるということです。
ダナンからのオプショナルツアー
近隣のビーチリゾート都市ダナンに滞在し、日帰りでホイアンのナイトマーケットを楽しみたいと考えている方にとって、オプショナルツアーの利用は非常に合理的で便利な選択肢です。
多くのツアーは、ダナン市内の主要ホテルへの往復送迎サービスを含んでいます。これにより、特に夜間の移動手段を自分で手配する手間や、料金交渉のストレスから解放されます。帰りの時間を気にすることなく、お酒を飲んだり、心ゆくまでホイアンの夜を満喫したりできるのは、ツアーならではの大きなメリットと言えるでしょう。
また、日本語ガイドが同行するプランを選べば、ナイトマーケットでのスムーズな値段交渉のサポートを受けられたり、ホイアンの歴史や文化、建物の背景などについて深い解説を聞けたりと、個人で訪れるだけでは得られない付加価値が生まれます。ツアーの内容によっては、ホイアン名物料理の夕食や灯篭流し体験があらかじめ料金に含まれていることもあり、コストパフォーマンスに優れている場合も少なくありません。ツアーを選ぶ際には、自由時間の長さや食事のメニュー、口コミなどを比較検討し、自分の希望に合ったプランを見つけると良いでしょう。