
ベトナム有数のビーチリゾート、ニャチャンへの旅行で大きな楽しみの一つが食事です。しかし、いざレストランを探そうとすると、その選択肢の多さに迷ってしまう方も少なくありません。この記事では、ニャチャンで絶対に訪れたいグルメスポットを、ローカルフードから高級店まで網羅的にご紹介します。
新鮮なシーフードや海鮮を堪能できる人気店から、記念日にぴったりの高級レストラン、本場の味を堪能できる美味しいベトナム料理、そして旅の途中で恋しくなるかもしれない日本食の情報まで、幅広く深く掘り下げて解説します。
どの店が本当におすすめなのか、評判の良いおいしいお店はどこか、さらに気になる価格や料金はだいたいいくら位なのか、といった具体的な疑問にも明確にお答えします。この記事を参考にすれば、あなたの旅をより一層豊かなものにする、最高のレストランがきっと見つかるはずです。
記事のポイント
- ニャチャンで人気のレストランのジャンルと特徴
- 旅行のシーンや目的に合わせた具体的なレストランの選び方
- ニャチャン名物グルメとそれを味わえる代表的なお店
- 各レストランジャンルの価格帯や予算の具体的な目安
ニャチャンのレストラン選びで押さえるべきこと
ニャチャンで人気のローカルグルメ
ニャチャンを訪れたなら、地元の人々に日常的に愛されるローカルグルメは絶対に外せません。観光客向けの洗練されたレストランでは味わえない、その土地ならではの活気や食文化に触れることは、旅の最も貴重な体験の一つとなるでしょう。手頃な価格でありながら、満足度の高い料理が数多く存在します。
ブンカー(Bún Cá)
ニャチャンの代表的なローカルフードとして、まずは「ブンカー」が挙げられます。これは、カジキなどの魚から丁寧に出汁をとった、透明であっさりとしたスープが特徴の麺料理です。具材には、米粉から作られた丸い断面の麺「ブン」と、魚のすり身を揚げたベトナム風さつま揚げ「チャーカー」が使われます。店によっては、淡白な白身魚の切り身や、コリコリとした食感が楽しいクラゲが加わることもあります。
優しい味わいは朝食にもぴったりで、多くの専門店が早朝から営業しています。特にダム市場近くの「ナムベオ(Nam Beo)」は、地元客と観光客で常に賑わう有名店です。一杯3万ドン(2025年6月現在、約170円)程度からと、非常にリーズナブルなのも魅力です。
バインカン(Bánh Căn)
「バインカン」は、米粉とココナッツミルクを混ぜた生地を、たこ焼き器のような窪みのある専用の鉄鍋で焼き上げる料理です。生地の中には、エビやイカといったシーフード、あるいはうずらの卵などが入っており、外はカリッと香ばしく、中はもちっとした食感のコントラストが楽しめます。
提供される際には、ヌクマム(魚醤)をベースにした甘酸っぱいタレや、刻んだ青マンゴーが添えられます。これをたっぷりとつけて食べるのが現地流です。おやつ感覚で気軽に味わえるため、街歩きの途中で小腹が空いたときに最適です。
その他の必食ローカルグルメ
その他にも、ニャチャンには魅力的なグルメが溢れています。牛肉を10種類以上のスパイスと蜂蜜でマリネし、小さな七輪で客が自ら焼くスタイルの「ボーヌン・ラックチャン(Bò Nướng Lạc Cảnh)」は、エンターテイメント性も高くグループで楽しめます。
また、豚ひき肉を甘辛く味付けして串に刺して炭火で焼いた「ネムヌン(Nem Nướng)」も見逃せません。これをライスペーパーやレタス、香草と一緒に巻いて、特製のピーナッツだれでいただく料理で、野菜もたっぷりとれるヘルシーな一品です。
まずは定番のベトナム料理から
多国籍な料理が豊富なニャチャンですが、やはり基本となるベトナム料理は一度はしっかりと味わっておきたいところです。ベトナム全土で食べられる定番料理も、ニャチャンのリゾートらしい雰囲気の中で体験すると、また違った趣を感じさせてくれます。
洗練された空間で味わう「ガランガル」
本格的なベトナムの伝統料理を、清潔で落ち着いた空間で楽しみたいのであれば、「ガランガル(Galangal)」が最もおすすめできるレストランの一つです。ニャチャン市街地の中心部に位置しアクセスも良好でありながら、店内はベトナムの伝統家屋を思わせる情緒豊かな内装で統一されています。
メニューは、生春巻きや揚げ春巻き、フォーといった誰もが知る定番から、ベトナム各地の郷土料理、さらには屋台で提供されるようなストリートフードを洗練された一皿に仕上げたものまで、非常に幅広いです。テーブルのすぐそばにあるオープンキッチンで調理される様子はライブ感があり、食事への期待感を高めてくれます。味付けは外国人観光客にも食べやすいように調整されており、ベトナム料理が初めての方でも安心して楽しむことができるでしょう。
現地の味を堪能する「フォーホン」
一方で、ベトナム料理の代名詞ともいえる「フォー」を、よりローカルな雰囲気で専門的に味わいたいなら、「フォーホン(Pho Hong)」が良い選択肢になります。こちらは観光客だけでなく、朝昼問わず地元の人々で賑わう活気ある食堂です。メニューは牛肉のフォーが中心で、サイズを選ぶだけのシンプルなスタイルです。
あっさりとしていながらも深みのある牛骨出汁のスープは、旅で疲れた胃にも優しく染み渡ります。テーブルに置かれたもやしや香草を好きなだけ入れて、ライムを絞って味を変化させながら食べるのが本場の楽しみ方です。ビーチからも近く、散策の途中に気軽に立ち寄れる立地も便利です。本場の味を200円少々で体験できるため、コストを抑えたい方にも最適な一軒と言えます。
リゾートならではのシーフード料理
ニャチャンはベトナム屈指の港町であり、その最大の魅力の一つが、水揚げされたばかりの新鮮なシーフードを手頃な価格で楽しめることです。リゾート地ならではの開放的な雰囲気の中で味わうプリプリのシーフードは、忘れられない思い出となるでしょう。
ローカル体験ならフィッシングビレッジへ
よりローカルで本格的な体験を求めるなら、ニャチャン中心部からタクシーで15〜20分ほど北上したルオンソン地区にあるフィッシングビレッジが選択肢に入ります。ここには多くのシーフードレストランが軒を連ねており、店の前には大きな水槽がずらりと並んでいます。
ここでの注文方法は独特です。まず、水槽の中から食べたい魚介類(エビ、カニ、シャコ、貝類、魚など)を指さして選びます。すると店員が網ですくい上げ、重さを量って料金を提示してくれます。料金に納得したら、次に調理法を指定します。シンプルな塩焼き(Nuong Muoi Ot)や蒸し料理(Hap Sa)、ニンニク炒め(Xao Toi)などがポピュラーな選択肢です。言葉に不安があっても、ジェスチャーや他のテーブルの料理を指させば通じることが多いです。市内のレストランと比べて格段に安く、新鮮そのもののシーフードを堪能できるのが最大のメリットです。
活気あふれる地元の人気店「THANH SUONG 2」
地元の人々が集うシーフードレストランとして「ハイサン・タンスオン2(Hải sản Thanh Sương 2)」も有名です。大学病院の前に位置し、夕方から深夜にかけて多くの客で大変な賑わいを見せます。巨大なシャコや日本では珍しい種類の貝など、豊富な魚介が揃っており、その活気は圧巻です。
非常に混雑するため、静かに食事をしたい方には不向きかもしれませんが、現地の食文化を肌で感じながら食事を楽しみたい方にはうってつけの場所です。海鮮焼きそばなども美味しいと評判なので、様々な料理を試してみることをお勧めします。
港町ニャチャンの新鮮な海鮮を味わう
前述の通り、ニャチャンでは新鮮な魚介類が名物ですが、ローカルな食堂で味わう「シーフード」とは一線を画し、美しい景色と共に楽しむ洗練された「海鮮」料理もニャチャンの大きな魅力です。美しい海を眺めながらの食事は、リゾート滞在におけるハイライトとなるはずです。
その代表格と言えるのが「ニャチャン・ビュー・レストラン(Nha Trang View Restaurant)」です。ニャチャンビーチが続くチャンフー通りの北端、小高い断崖の上に位置しており、その名の通り、全席がオーシャンビューという絶好のロケーションを誇ります。眼下に広がるエメラルドグリーンの海と、遠くに見えるヴィンパール島のケーブルカーを眺めながら、新鮮な海鮮料理やベトナム料理を味わうことができます。
特におすすめの時間帯は、空と海がオレンジ色に染まるサンセットのタイミングです。ロマンティックな雰囲気に包まれながらのディナーは、特別な思い出になること間違いありません。ブライダルフォトの撮影地としても人気があるほど、その景色には定評があります。注意点として、海鮮料理が本格的に提供されるのは、漁船が港に戻ってくる昼過ぎからとなります。午前中は朝食メニューのみの提供となるため、海鮮目当てで訪れる際は午後の時間帯を狙うようにしましょう。
長期滞在でも安心の日本食レストラン
ニャチャンでの滞在が長くなったり、家族に年配の方や小さなお子さんがいたりする場合、食べ慣れた日本の味が恋しくなることもあるかもしれません。香辛料の効いたベトナム料理が続くと、胃が疲れてしまうことも考えられます。
幸い、多国籍なレストランが集まるニャチャンでは、日本食を提供しているお店も見つけることが可能です。インプットされたデータベースには専門店としての詳細な情報はありませんが、一般的にニャチャンのようなリゾート地の日本食レストランは、寿司や刺身、ラーメン、天ぷら、丼物といった日本人に馴染み深い定番メニューを提供していることが多いです。
メリットは、何よりもその「安心感」にあります。言葉の壁やメニュー選びの不安なく、リラックスして食事を楽しめる点は大きな魅力です。一方で、デメリットや注意点も存在します。一つは、日本で食べるものと全く同じ味を期待すると、現地の食材や水の違いから、少し異なる場合があることです。また、現地の物価からすると価格設定は比較的高めになる傾向があります。日本食はあくまで選択肢の一つとして頭の片隅に置き、旅の状況に応じて活用するのが賢明な使い方と言えるでしょう。
記念日に行きたい高級レストラン
せっかくのニャチャン旅行、誕生日や結婚記念日といった特別な日には、普段より少し贅沢なレストランで思い出に残るディナーを楽しみたいと考える方も多いでしょう。ニャチャンには、ロマンティックな雰囲気と洗練された料理、そして質の高いサービスで、特別な夜を完璧に演出してくれる高級レストランがいくつか存在します。
ニャチャンの夜を象徴する「セイリングクラブ」
ビーチ沿いで大人のリゾートムードを心ゆくまで味わいたいなら、「ニャチャン・セイリングクラブ(Sailing Club Nha Trang)」が筆頭候補です。1994年創業という長い歴史を誇り、ニャチャンのナイトライフシーンを常にリードしてきた象徴的な存在です。夜が更けるとDJがプレイを始める賑やかなクラブへと姿を変えますが、早い時間帯は上質なレストランとして機能しており、特にシーフード料理には定評があります。
砂浜に設置されたデイベッドスタイルのカバナ席で、寄せては返す波音をBGMにカクテルを傾ける時間は、まさに非日常の極みです。ドレスアップして訪れたい、特別な夜にふさわしい場所と言えます。
本格ステーキなら「LIVINステーキレストラン」
もしシーフードよりも肉料理を欲しているのであれば、「LIVINステーキレストラン(LIVINcollective)」がおすすめです。こちらはベトナムの物価からすると高価な部類に入りますが、ジューシーなTボーンステーキなど、欧米基準の質の高い肉料理を、日本で食べるよりもずっとリーズナブルな価格で楽しむことができます。落ち着いたモダンな雰囲気の店内で、ゆっくりと食事と会話を楽しみたいカップルや、本物の味を求めるグルメな方に適しています。
目的や予算で選ぶニャチャンのレストラン
口コミで評判の美味しい・おいしいお店
レストラン選びで失敗したくない時に最も頼りになる情報源の一つが、実際にその店を訪れた人々の正直な口コミです。ニャチャンには、旅行者から特に高い評価を得ている美味しいお店が数多くあります。興味深いことに、その多くは伝統的なベトナム料理店ではなく、欧米人が経営する本場の味を再現した多国籍料理店です。
ギリシャ料理「ピタ(Pita GR Restaurant)」
その代表例が、ギリシャ料理専門店の「ピタ」です。トリップアドバイザーなどの大手口コミサイトでは常に上位にランクインしており、多くの旅行者から絶大な支持を得ています。ニンニクとヨーグルト、きゅうりを混ぜ合わせた爽やかなソース「ザジキ」や、香ばしく焼き上げた串焼き肉の「ケバブ」、ひき肉とナスを重ね焼きした「ムサカ」など、本格的な地中海料理を味わうことができます。フレンドリーで気の利くスタッフの接客も評判で、リラックスした心地よい雰囲気の中で食事が楽しめます。
ロシア料理「コスモス(Cosmos Restaurant)」
また、ニャチャンには古くからロシア人コミュニティが根付いている歴史的背景から、本格的なロシア料理店も少なくありません。「コスモス」や「イーストロックカフェ」は、ロシア人が経営するレストランとして知られています。家庭料理の定番であるビーツのスープ「ボルシチ」や、総菜パンの「ピロシキ」といった伝統的な料理を、本場さながらのボリュームと驚くほど手頃な価格で提供しています。普段なかなか口にする機会のない料理に挑戦してみるのも、旅の忘れられない思い出になります。これらの店は、味だけでなく、ニャチャンに息づく異文化に触れる貴重な体験ができる点でも魅力的です。
旅行者におすすめのレストランはここ
初めてニャチャンを訪れる方や、小さなお子様連れの家族、あるいは友人グループでの旅行で、誰もが気兼ねなく楽しめるレストランを探している場合には、雰囲気の良さ、メニューの豊富さ、そしてエンターテイメント性を兼ね備えたお店がおすすめです。
自家製ビールとプールが魅力「ルイジアナ・ブリューハウス」
ビーチ沿いに広大な敷地を構える「ルイジアナ・ブリューハウス(Louisiana Brewhouse)」は、そうしたニーズに完璧に応えてくれるレストランバーです。広々とした店内には、なんとスイミングプールやビリヤード台も備え付けられており、食事だけでなくリゾートらしい自由な時間を過ごすことができます。
このお店の最大の特長は、店内に醸造所(ブリューハウス)を持ち、自家製のクラフトビールを味わえる点です。ピルスナーやダークエールなど、様々な種類の新鮮な生ビールを飲み比べながら、グリル料理やピザなどを楽しむ時間は格別です。昼間から多くの客で賑わっており、誰にでも開かれた明るい雰囲気が魅力です。
使い勝手抜群の「ストーリー・ビーチクラブ」
同じくビーチ沿いにある「ストーリー・ビーチクラブ(Story Beach Club & Restaurant)」も、多くの旅行者に支持されている人気店です。昼間は海を眺める開放的なレストランとして、夜はダンスステージが盛り上がるバーとして、一日中楽しむことができます。
西洋料理からアジア料理まで幅広い多国籍メニューを提供しているため、食の好みが分かれるグループでも安心して利用できます。砂浜に並べられたデッキチェアでくつろいだり、日によっては屋外でBBQを楽しんだりと、様々な過ごし方が可能です。ニャチャン滞在中に一度は訪れておいて損はない、非常に使い勝手の良い一軒です。
気になる価格や料金はいくら?
ニャチャンでの食事の予算を立てる上で、レストランの価格帯をあらかじめ把握しておくことは非常に重要です。ニャチャンでの食費は、選ぶお店のジャンルによって大きく異なってきます。ベトナムの通貨「ドン(VND)」は桁数が多いため、支払い時に混乱しないよう、日本円での目安を頭に入れておくとスムーズです。
最も手頃なのは、言うまでもなくローカルフードを扱う屋台や大衆食堂です。フォーやブンカーといった麺料理は1杯3万ドン(約170円)程度から、バインカンなどの軽食も1皿6万ドン(約300円)前後で十分に楽しむことができます。
次に、観光客向けのベトナム料理レストランや、市街地にある多国籍料理店の場合、メインディッシュ1品あたりが10万~20万ドン(約580円~1160円)程度が一般的な目安となります。ただし、「イーストロックカフェ」のようにカクテルが1杯100円ちょっとで飲めるような、驚異的なコストパフォーマンスを誇るお店も存在します。
一方、ビーチ沿いの高級レストランや、本格的なステーキハウスといったカテゴリーになると、料金は大きく上がります。ディナータイムに訪れるのであれば、1人あたり最低でも50万ドン(約2,900円)以上の予算を見ておくと安心です。もちろん、注文する料理の内容、特にワインなどのアルコール類によって総額は大きく変動します。
以下にジャンル別の価格帯の目安をまとめましたので、レストラン選びの際の参考にしてください。(2025年6月現在、1円=約170VNDで換算)
概略:【2025年版】ニャチャンのレストラン選びで失敗しない為の完全ガイドのまとめ
この記事では、様々な角度からニャチャンのレストラン情報をお届けしました。旅の目的や予算、誰と食事をするかに合わせて、あなたにとって最適な一軒を見つけるためのヒントが数多くあったはずです。最後に、レストラン選びにおける重要なポイントをまとめます。