福岡の建築巡りで見つける魅力!隈研吾や磯崎新が手がけた有名建築作品を徹底紹介

福岡の有名建築物をポップなイラストで表現した画像。隈研吾や磯崎新が手がけた現代建築が鮮やかな色合いで描かれ、福岡の都市風景と自然が融合する様子を表現しています。

福岡には、歴史と現代が融合した魅力的な建築が数多く存在します。日本を代表する建築家、隈研吾や磯崎新などが手がけた建物が点在し、その斬新なデザインや機能美が福岡の風景を彩っています。本記事では、隈研吾が設計した太宰府天満宮のスターバックスや磯崎新が手がけた北九州市立美術館など、福岡を訪れた際にぜひ見ておきたい建築作品を紹介します。これらの名作建築は、観光や日常の散策の中で新しい視点を提供し、訪れる人々に感動を与えるでしょう。福岡の建築の魅力を堪能するためのガイドとして、参考にしてみてください。

記事のポイント

  • 福岡にある有名建築家が手がけた建物の特徴と魅力
  • 隈研吾や磯崎新など日本を代表する建築家の作品の所在地や見どころ
  • 福岡市内や近郊で訪れるべき建築スポットの選び方
  • 各建築作品が持つデザインの意図や背景

福岡の建築を堪能!有名建築家の作品を巡る旅

福岡で有名な建築といえば?隈研吾設計のスターバックス

福岡で有名な建築の一つに、隈研吾が手がけた「スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店」があります。この店舗は、観光名所である太宰府天満宮の参道沿いに位置し、和とモダンが調和したデザインが特徴です。

外観は、隈研吾らしい「組み木」デザインが施されており、木材がランダムに組み合わさったような独特なファサードが目を引きます。釘を一切使わずに木を組み合わせる伝統技法を取り入れており、歴史的な太宰府の街並みにも自然に溶け込む造りです。この設計により、現代的なコーヒーショップが歴史ある空間と調和しています。

スターバックスの内部は、外観のデザインを引き継ぎ、木の温もりを感じる落ち着いた空間が広がっています。観光客だけでなく、地元の人々にも親しまれており、店内で過ごす時間も特別なものに感じられる場所です。

一方で、観光地に位置するため、混雑することも多く、特に週末や祝日は長い列ができることがあります。このため、ゆっくりと過ごしたい場合は平日や早朝の訪問がおすすめです。

福岡にあるおすすめ建築!磯崎新の北九州市立美術館を紹介

磯崎新が設計した「北九州市立美術館」は、福岡県内でも屈指の建築作品として知られています。1974年に完成したこの美術館は、磯崎新が手がけた初期の作品であり、彼のキャリアの中でも重要な位置を占める建物です。

外観は、2つの巨大な直方体が突き出す独特のデザインで、「丘の上の双眼鏡」とも呼ばれるその形状は美術館の象徴となっています。このユニークな設計は、芸術的でありながらも訪れる人々に強いインパクトを与え、初めて訪れる人でも印象に残る建築です。

内部は、広い展示スペースが特徴で、さまざまなアート作品を余裕をもって展示できる設計がされています。磯崎新の美術館設計に見られるように、空間そのものが一つの芸術作品であり、建物の中を歩くだけでも十分に楽しむことができます。

ただし、北九州市立美術館は市街地から少し離れた高台に位置しているため、アクセスがやや不便な点がデメリットです。公共交通機関や車を利用して訪れる必要があり、特に初めて訪れる場合は事前にアクセス方法を確認することが大切です。

とはいえ、その特異な建築デザインや美術館としての機能美を体感する価値は十分にあります。美術館の建築とアート作品が相まって、訪れる人々に深い感動を与える場所となっています。

日本代表の建築家が手がけたアクロス福岡の魅力とは?

アクロス福岡は、アルゼンチン出身の建築家エミリオ・アンバースによって設計された公共施設です。福岡市の中心部、天神に位置し、1995年に完成しました。この建物は、国際会議場やシンフォニーホール、オフィスや店舗が融合した複合施設として知られています。

最大の特徴は、階段状に設けられた「ステップガーデン」です。外観の一面が緑に覆われており、まるで都会の中にそびえる山のような印象を与えます。この緑化されたデザインは、都市空間において自然との調和を強調しており、訪れる人々に癒しを与えています。建物の内部も広く、開放的な設計が施され、窓から差し込む自然光が心地よい空間を作り出しています。

一方、ステップガーデンは多くの緑に覆われているため、メンテナンスが必要であり、建物全体の管理には相当なコストがかかります。また、全体が複合施設となっているため、施設ごとに訪れる目的が異なる場合、迷いやすい点も注意が必要です。

このように、アクロス福岡は自然と都市の共存をテーマにした建築でありながら、その規模やデザインにより、機能性と美しさを兼ね備えた代表的な建築作品と言えます。

伊東豊雄のぐりんぐりんが魅せる自然と建築の融合

伊東豊雄が設計した「ぐりんぐりん」は、福岡市東区のアイランドシティ中央公園に位置する体験学習施設です。この建物は、曲線を用いた特徴的なデザインで、まるで大地がうねっているかのような造形美を持っています。特に、屋根が波打つような形状は「ぐりんぐりん」という名前そのものを表しており、自然との調和を感じさせるものです。

建物は3つのブロックに分かれており、それぞれが異なるテーマを持っています。北ブロックは広々としたフリースペース、中央ブロックは亜熱帯植物を展示するスペース、そして南ブロックではワークショップやガーデニング体験ができる場となっています。これにより、訪れる人々が多様な自然の体験を楽しむことができるよう設計されています。

ただし、ぐりんぐりんはその独特な構造のため、初めて訪れる人にとっては内部の移動がやや複雑に感じられることがあります。また、施設全体が緑化された屋根を持っているため、天候によっては滑りやすくなる場合があり、注意が必要です。

自然との一体感を重視したぐりんぐりんは、都市部における自然との共存を体現した施設であり、訪れるたびに新しい発見ができる魅力的な場所となっています。

前川國男が手がけた福岡市美術館の魅力と特徴

前川國男が設計した福岡市美術館は、1979年に開館した、福岡を代表する文化施設です。建築の外観は赤茶色の磁器質タイルで覆われており、年月を経てもその美しさを保っています。特に、大濠公園に隣接した立地が美術館に独特の開放感をもたらし、来館者が自然とアートを同時に楽しめる場所となっています。

館内の設計も特徴的で、ロビーと広場(エスプラナード)が中心に配置されています。展示室にたどり着くまでのアプローチは長く設計されており、来館者がゆっくりと空間を楽しみながら、芸術作品に触れる準備を整えるような意図が感じられます。この建物全体が、単なる展示空間以上に「美術鑑賞のプロセス」を大切にしていることがわかります。

一方、前川國男の建築には独特のモダニズムの要素が強く反映されており、外観や内部のデザインが一部の来訪者にとっては冷たく感じることもあります。また、展示室へのアプローチが長いという点では、利便性よりも建築美を優先した構造のため、急いでいる人にとっては不便に感じられるかもしれません。

福岡の建築を訪れる際に押さえたい名作建築スポット

菊竹清訓設計の九州国立博物館で見る伝統と現代の融合

九州国立博物館は、菊竹清訓によって設計された美術建築の一例です。この博物館は、2005年に福岡県太宰府市に開館し、伝統的な日本文化と現代的な建築デザインが融合した斬新な建物として知られています。特に、波打つような曲線を描くガラスファサードは周囲の山々と見事に調和し、自然の中に溶け込むデザインが特徴です。

建物の外観だけでなく、内部も広々とした空間が広がり、九州各地から集められた木材が随所に使われています。特に、エントランスホールの天井には福岡や宮崎から採取された間伐材が用いられ、建物全体が和の雰囲気を持ちながらも、現代的なガラスや鉄とのコントラストが美しい空間を作り出しています。

一方、この博物館はその規模の大きさゆえに、初めて訪れる人にとっては展示室の配置が少し分かりにくいことがあります。広々とした空間は、訪れる際に時間を十分に取ってゆっくり見学するのが望ましいです。また、周囲の景観を損なわないよう設計されていますが、遠目からはその存在感が薄れてしまうこともあり、場所を探す際には地図や案内を活用する必要があります。

磯崎新の手がけた寿司店「やま中」のモダン建築を楽しむ

福岡市にある寿司店「やま中 本店」は、磯崎新が設計を手がけた建築としても有名です。この店舗は、寿司屋とは思えないモダンな外観が特徴で、ガラスのカーテンウォールとコンクリート打ち放しのデザインが見事に調和しています。外からは、建物全体がガラスに包まれているように見え、内部の柔らかな光が外へと漏れ出す様子が美しく、夜には特に印象的です。

店内に入ると、開放感あふれる吹き抜けのエントランスが広がり、ガラス越しに自然光がたっぷり差し込むため、昼間も明るい空間となっています。また、対照的に、カウンター席のあるエリアでは、モダンな照明が抑えた光を放ち、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しむことができます。このコントラストが、磯崎新の設計美の真髄と言えるでしょう。

一方で、モダンすぎる外観とシンプルな内部デザインは、伝統的な寿司店の趣を求める人にとっては少し違和感を感じるかもしれません。しかし、このような洗練された空間で寿司を味わうこと自体が、他の店にはない特別な体験になるはずです。

吉村順三の設計美が光る「河庄」の落ち着いた雰囲気とは

吉村順三が設計を手がけた福岡の寿司店「河庄」は、洗練された設計と静寂な雰囲気が特徴です。外観は、木材とコンクリートを融合させたモダンなデザインで、特に夜になると縦に配されたルーバーの隙間から漏れる光が幻想的な空気感を演出しています。建物全体が一体感を持ちながらも、温かみのあるデザインに仕上がっており、訪れる人を心地よく迎え入れます。

店内は、L字型のカウンター席が中心に配置されており、職人の手さばきを間近に感じながら食事を楽しめるレイアウトになっています。特に、素材の質感を大切にした吉村順三の設計美が光り、木材の温かみとコンクリートのクールさが絶妙に調和しています。この静かで落ち着いた空間は、食事そのものに集中できる環境を提供しています。

一方で、シンプルで無駄のないデザインは、派手さを求める人には少し物足りなく感じるかもしれません。しかし、吉村順三の建築が持つ本質的な美しさを感じ取ることで、その落ち着いた雰囲気の中で過ごす時間が特別なものになるでしょう。

黒川紀章が設計した福岡銀行本店のデザインと特徴

福岡銀行本店は、黒川紀章が手がけた建築作品で、1975年に竣工しました。この建物は、都市の中に新たな公共空間を作り出すことを目指したデザインが特徴です。外観はグレーを基調としたシンプルなコンクリート造りで、銀行としての堅実さと重厚感を強調しています。

特に注目すべきは、敷地の1/3を占める大屋根のピロティ空間です。この広い軒下は、単なる建物の一部ではなく、地域住民が自由に利用できる公共空間としてデザインされています。軒下には緑や水、芸術作品が設置されており、銀行でありながらもコミュニティの場としての役割を果たしています。

一方、外観の重厚さは、訪れる人に対して少し冷たく感じられることもあります。また、都市部の一角に位置しているため、内部は比較的機能性を重視しており、内部空間のデザインは外観ほど印象的ではないかもしれません。しかし、黒川紀章の都市計画の理念が色濃く反映されたこの建物は、単なる銀行建築の枠を超えた存在となっています。

アルド・ロッシ設計のホテル イル・パラッツォで味わう特別な空間

アルド・ロッシが設計した「ホテル イル・パラッツォ」は、福岡市にあるデザイナーズホテルとして、1989年に開業しました。日本で初めてロッシが手がけたこの建物は、赤レンガを思わせるような深い色合いの外壁が特徴で、周囲の建物とは一線を画す存在感を放っています。

ホテルのデザインは、ロッシが得意とする幾何学的なフォルムが活かされ、シンプルでありながら独特の雰囲気を醸し出しています。外観の直線的なラインと内装の洗練されたデザインは、宿泊者に非日常的な体験を提供します。特に、客室や共用スペースには、ロッシらしいシンプルな中にも計算された美しさがあり、ゆったりとした時間を過ごせる空間が広がっています。

一方、現在はリニューアル工事のため一時休業しているため、訪れる際には事前に確認が必要です。また、その独特なデザインは、現代のスタンダードなホテルに慣れている人にとっては少し異質に感じるかもしれません。しかし、このホテルならではの特別なデザインと空間は、建築ファンやデザインに興味のある人には特に魅力的な場所となるでしょう。

概略:福岡で有名な建築は?

まとめ

  • 隈研吾設計のスターバックスは、和とモダンが融合したデザインが特徴
  • スターバックスは組み木の技法を用い、釘を使わない構造が印象的
  • 磯崎新設計の北九州市立美術館は、独特な直方体のデザインが特徴
  • 美術館の外観は「丘の上の双眼鏡」として親しまれている
  • アクロス福岡は、ステップガーデンにより自然との調和を目指した建物
  • アクロス福岡の内部は、開放的で自然光を多く取り入れた設計
  • 伊東豊雄のぐりんぐりんは、曲線を用いた自然と建築が融合した施設
  • ぐりんぐりんは3つのブロックに分かれ、各テーマに沿った展示がある
  • 前川國男設計の福岡市美術館は、モダニズムが強く反映されたデザイン
  • 福岡市美術館は、展示室までの長いアプローチが特徴
  • 菊竹清訓の九州国立博物館は、伝統と現代建築が融合した美術館
  • 九州国立博物館は、ガラスファサードが山並みに調和した外観を持つ
  • 磯崎新設計の「やま中」は、モダンな外観と開放感ある内部が特徴
  • 吉村順三設計の「河庄」は、木材とコンクリートを用いた落ち着いたデザイン
  • 黒川紀章設計の福岡銀行本店は、広いピロティ空間が地域の交流の場となっている