ホイアンからフエへのアクセス完全ガイド！日帰り観光のおすすめプランも紹介

ベトナム中部の人気観光地、ホイアンとフエ。歴史的な街並みが魅力の両都市を巡る計画を立てている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に旅の準備を始めると「ホイアンからフエまでのアクセスはどうすれば良いのだろう？」という疑問に直面します。移動にかかる時間や、安い移動方法、逆に高いけれど快適な手段など、選択肢は様々です。この記事では、バスや電車での移動から、便利なツアー、さらには日帰りツアーの活用法まで、あらゆる情報を網羅的に解説します。観光を最大限に楽しむためのおすすめ情報や、具体的なモデルコースも紹介しますので、あなたの旅のスタイルにぴったりの方法がきっと見つかるはずです。

---

ホイアンからフエへのアクセス！移動手段を徹底解説

主なアクセス方法の選択肢

ホイアンから古都フエへの旅には、旅行者の多様なニーズに応えるための複数の移動方法が存在します。それぞれの手段は、料金、所要時間、快適性、そして旅の体験価値において一長一短があります。ベトナム中部の交通インフラは年々整備されており、これらの選択肢の中からご自身の旅のスタイルに最適なものを選ぶことが、快適な旅行の鍵となります。

主な選択肢は、バス、列車（ベトナム統一鉄道）、ドライバー付きの貸切チャーターカー、タクシー（Grab）、そして観光がセットになった日帰りパッケージツアーの5つです。例えば、費用を極力抑えたいバックパッカーにはバスが最適ですし、ベトナムの雄大な自然を肌で感じたい方には列車の旅が忘れられない思い出を提供してくれます。また、小さなお子様連れのご家族や、限られた時間で効率的に観光したいグループには、貸切チャーターカーやツアーが非常に便利です。

これらの選択肢を理解し、ご自身の旅の優先順位（コスト、時間、快適さ、体験）を明確にすることで、後悔のない移動手段を選ぶことができるでしょう。

移動にかかる時間の目安

ホイアンとフエの間の距離は約130kmあり、移動にはそれなりの時間を見込む必要があります。選択する交通手段や、後述するルートによって所要時間は大きく異なりますが、一般的には2時間30分から4時間程度が目安となります。

最も迅速な移動が可能なのは、貸切チャーターカーやタクシーで「ハイヴァントンネル」を利用するルートです。このトンネルは東南アジア最長級のトンネルで、険しい峠道をバイパスするため、約2時間30分から3時間でフエに到着できます。時間に制約のある日帰り旅行などでは、このルートが主流となります。

絶景の「ハイヴァン峠」ルート

もし時間に余裕があるならば、ハイヴァン峠を越える旧道ルートを強くお勧めします。「雲の峠」を意味するハイヴァン峠は、かつてベトナムを南北に分断していた交通の要衝であり、「天下第一の絶景」と称されるほどの風光明媚な場所です。曲がりくねった山道を登ると、眼下にはダナン湾と南シナ海の壮大なパノラマが広がります。このルートを選ぶとトンネル経由より30分〜1時間ほど長くかかりますが、その価値は十分にあります。

フエには見どころが多いため、日帰りプランの場合は移動時間をいかに短縮するかが重要になります。滞在時間と移動中の体験、どちらを優先するかでルートを選びましょう。

料金が安いバスや乗合バン

旅行費用を節約したい旅行者にとって、バスは最も経済的な選択肢です。ホイアンからフエまでのバス料金は、一人あたり片道15万vnd（約950円）から30万vnd（約1,900円）と非常に安価で、他の交通手段と比較して大きなアドバンテージがあります。

ダナンでの乗り換えが必須

重要な点として、2025年現在、ホイアンからフエへの直通バスは運行されていません。そのため、全てのバス利用者は一度ダナン市にある「ダナン中央バスターミナル（Bến Xe Trung Tâm Đà Nẵng）」へ向かい、そこでフエ行きのバスに乗り換える必要があります。ホイアンの市街地からこのバスターミナルまでは、タクシーやGrabを利用して約45分〜1時間かかります。

乗り換えの手間と時間はかかりますが、ベトナムの長距離バスを体験してみたい方や、コストを最優先する方にとっては最良の選択と言えます。

料金は高いが快適なチャーター

移動の快適性、プライバシー、そして自由度を何よりも重視するならば、ドライバー付きの貸切チャーターカーが比類のない選択肢となります。料金は高額になりますが、特に3〜4名以上のグループや家族連れにとっては、一人当たりのコストパフォーマンスも良く、得られる満足度は非常に高いです。

料金の目安は、4人乗りのセダンタイプで片道約150万vnd（約9,500円）から200万vnd（約12,600円）程度です。7人乗りのSUVや16人乗りのミニバンなど、人数に応じて車両を選ぶこともできます。この料金には、ホテルのロビーでのピックアップからフエの指定場所への送迎、燃料費、ドライバー代がすべて含まれています。

チャーターカーならではの旅の楽しみ方

チャーターカーの最大の魅力は、その圧倒的な柔軟性にあります。既成のスケジュールに縛られることなく、自分たちだけのオリジナルな旅程を組むことが可能です。

• 絶景スポットでの自由な停車：前述のハイヴァン峠の頂上や、美しいラグーンが広がるランコー湾の展望台など、気に入った場所で好きなだけ時間を過ごせます。
• 気になるカフェやお店への立ち寄り：道中で見つけたローカルなカフェやお店に気軽に立ち寄ることもできます。
• 荷物の心配が不要：大きなスーツケースがあっても、トランクに預けて手ぶらで観光を楽しめます。

移動時間そのものを観光の一部としてアクティブに楽しみたい方にとって、チャーターカーは最高の投資となるでしょう。

風景を楽しむならベトナム鉄道

ベトナムの旅にロマンと風情を求めるなら、ベトナム統一鉄道での移動は忘れられない体験となるでしょう。ホイアンには鉄道駅がないため、まずは最寄りのダナン駅まで移動する必要があります。ホイアン中心部からダナン駅までは、タクシーやGrabで約45分です。

ダナン駅からフエ駅までの所要時間は約2時間30分から3時間。この路線の最大の魅力は、ハイヴァン峠の海岸線ギリギリを縫うように走る区間です。車窓のすぐそこまで迫る青い海と、険しく緑豊かな山々が織りなすダイナミックな景観は、まさに圧巻の一言。この景色を眺めるためだけに列車を選ぶ価値があると言っても過言ではありません。

乗車券の予約と乗車時のポイント

料金は、エアコン付きのソフトシートで一人あたり15万vnd（約950円）から20万vnd（約1,260円）程度と非常にリーズナブルです。乗車券はベトナム鉄道の公式サイト（dsvn.vn）や、現地の駅窓口、旅行代理店、オンライン予約サイトで購入できます。公式サイトは外国発行のクレジットカードが通りにくい場合があるため、旅行者には12Go Asiaなどの予約サイトが便利です。

効率性よりも、旅のプロセスや情緒を大切にしたい方にとって、鉄道の旅は最高の選択肢となるはずです。

各移動手段のメリット・デメリット

ホイアンからフエへの移動手段は多岐にわたります。どの方法が最適かは、旅行者の優先順位によって大きく異なります。ここで、各手段の長所と短所を再度整理し、どのような方に適しているかをまとめました。以下の比較表を、あなたの旅の計画にお役立てください。

この表を見ても分かる通り、完璧な移動手段というものは存在しません。例えば、安さを追求すれば時間はかかり、快適さを求めれば費用は上がります。ご自身の旅で「これだけは譲れない」という点を明確にすることが、最終的に最も満足度の高い選択につながります。

---

ホイアンからフエを満喫！観光プランとおすすめ情報

手配が楽なパッケージツアー

「移動手段や観光ルートを考えるのが大変」「言葉の壁が心配」といった不安をお持ちの方には、全ておまかせできるパッケージツアーが最も簡単で安心な選択肢です。ツアーを利用することで、旅行者は煩雑な手配から解放され、観光そのものに集中することができます。

ホイアンやダナンを拠点とする多くの旅行会社が、フエへの日帰りツアーを催行しています。これらのツアーは、旅行者のタイプに合わせて様々な形態があります。

ツアーの種類

• 混載グループツアー：複数の旅行者と一緒に大型バスなどで移動する、最も一般的なツアーです。料金が比較的リーズナブルなのが魅力です。
• プライベートツアー：自分たちのグループだけで専用車と専属ガイドをチャーターするツアーです。料金は高くなりますが、スケジュールの調整や興味に合わせた内容の変更など、柔軟な対応が可能です。

料金には、往復の送迎、日本語または英語を話すガイド、主要な観光施設の入場料、昼食代が全て含まれていることがほとんどです。特にフエの史跡は、その歴史的背景や物語を知ることで何倍も面白くなります。知識豊富なガイドの説明を聞きながら巡ることで、単に建物を眺めるだけでは得られない深い理解と感動を得られるでしょう。

デメリットとしては団体行動による自由時間の制約が挙げられますが、それを上回る「手軽さ」と「安心感」は、特にベトナム旅行が初めての方にとって大きなメリットとなります。

人気の日帰りツアーと見どころ

典型的なホイアン・ダナン発のフエ日帰りツアーは、フエが誇る世界遺産のハイライトを1日で効率的に巡れるよう、非常によく練られたスケジュールになっています。どのツアーに参加しても、満足度の高い体験ができるでしょう。

ツアーに含まれる主な観光スポット

• フエ王宮（阮朝王宮）：ベトナム最後の王朝の威光を今に伝える広大な宮殿です。ガイドが壮大な歴史を解説しながら、見どころを効率よく案内してくれます。
• カイディン帝陵：西洋と東洋の建築様式が融合した、他に類を見ない豪華絢爛な皇帝陵です。内部の精緻な装飾は、ツアーで訪れる多くの旅行者が感嘆するポイントです。
• ティエンムー寺：フォン川のほとりに佇む、優美な七層の塔がフエの象徴です。その美しい姿と、寺にまつわる歴史的な逸話に耳を傾けることができます。
• フォン川のドラゴンボートクルーズ：一部のツアーでは、王族が舟遊びを楽しんだとされるフォン川を、龍を模した船でクルーズする体験が含まれています。川面から眺めるフエの街並みはまた格別です。

料金の目安は、混載ツアーで一人あたり約240万vnd（約13,600円）からとなっています。この料金には交通費、入場料、ガイド料、昼食代が全て含まれていることを考えると、個人でタクシーを一日チャーターして各所を巡るコストと比較しても、非常にリーズナブルと言えます。

これらのツアーは、KlookやGetYourGuideなどのオンラインアクティビティ予約サイトや、現地の旅行代理店で簡単に申し込むことができます。

フエで必見の歴史観光スポット

フエは街全体が歴史博物館のようであり、その中でも特に訪れるべき必見のスポットがいくつかあります。1802年から1945年までベトナムを統治した阮（グエン）朝の栄枯盛衰の物語が、これらの壮大な建築物に刻まれています。

阮朝王宮（大内）

フエ観光の中心であり、絶対に外せない場所です。フォン川の北岸に位置し、高い城壁と堀に囲まれた広大な敷地は、北京の紫禁城をモデルに建設されました。正門である「午門」をくぐると、皇帝が重要な儀式を執り行った「太和殿」があり、その奥には皇帝と皇族の私的な空間であった「紫禁城」が広がっています。ベトナム戦争で多くが破壊されましたが、懸命な修復作業により往時の姿を取り戻しつつあり、そのスケールと歴史の重みに圧倒されることでしょう。全てをじっくり見るには半日あっても足りないほど広大です。

カイディン帝陵

第12代皇帝カイディン帝の陵墓で、フエ郊外の山中に位置します。他の帝陵とは一線を画す、非常にユニークな建築様式で知られています。外観はコンクリート造りで西洋のバロック様式の影響が色濃い一方、内部の啓成殿は床から天井まで、龍や草花をかたどった色鮮やかな陶器やガラスのモザイクで埋め尽くされています。その豪華絢爛さは、まるで小さなベルサイユ宮殿のようです。

ミンマン帝陵

第2代皇帝ミンマン帝の陵墓で、自然との調和を重視した儒教的な設計思想が貫かれています。湖や松林に囲まれた広大な敷地に、左右対称に配置された建築群が静謐で荘厳な雰囲気を醸し出しており、フエの帝陵の中で最も美しいと称賛されています。散策するだけでも心が洗われるような空間です。

トゥドゥック帝陵

第4代皇帝トゥドゥック帝が、生前に別荘として使用していた場所です。蓮池や小島が配された庭園は非常に風雅で、詩を愛した皇帝の人柄が偲ばれます。他の帝陵に比べて、より穏やかでプライベートな雰囲気が漂っています。

おすすめのグルメや体験

フエの魅力は世界遺産だけにとどまりません。かつての帝都として洗練された食文化が花開き、現在でも多くの名物料理が人々に愛されています。歴史散策の合間には、ぜひフエならではの美食を堪能してください。

必ず食べたいフエ名物グルメ

• ブン・ボー・フエ (Bún Bò Huế)：フエを代表する麺料理の王様。牛骨からとった濃厚なスープに、レモングラスや唐辛子を効かせたピリ辛味が特徴です。太めの米麺との相性も抜群で、一度食べたらやみつきになる美味しさです。
• バイン・ベオ／ナム／ロック (Bánh Bèo/Nậm/Lọc)：米粉やタピオカ粉を使った蒸し物の盛り合わせ。小さな器に入った「バイン・ベオ」、バナナの葉に包まれた「バイン・ナム」や「バイン・ロック」など、様々な食感と風味を楽しめるフエの代表的な前菜です。
• ネム・ルイ (Nem Lụi)：豚ひき肉のつくねをレモングラスの茎に巻きつけて炭火で焼いた料理。ライスペーパーに野菜やハーブと一緒に巻き、特製のピーナッツだれにつけていただきます。香ばしい香りが食欲をそそります。
• コム・ヘン (Cơm Hến)：ご飯の上に、炒めたしじみ、ゴマ、ピーナッツ、揚げた豚皮、様々なハーブなどを乗せ、熱々のしじみの茹で汁をかけて食べる、フエ風の混ぜご飯。素朴ながら奥深い味わいで、地元の人々に愛されるソウルフードです。

効率重視の日帰りモデルコース

ホイアンからフエへの日帰り旅行は、移動時間が長いため、綿密な計画が成功の鍵となります。ここでは、主要な見どころを抑えつつ、食事や休憩も考慮に入れた、効率的なモデルコースの一例を提案します。貸切チャーターカーやプライベートツアーを利用する場合に特に参考になります。

このモデルコースのポイント

このプランの鍵は、地理的に離れた場所から先に訪れることです。郊外のカイディン帝陵から始め、最後に市内のティエンムー寺を訪れることで、移動のロスを最小限に抑えています。もちろん、これはあくまで一例です。ご自身の興味に合わせて、ミンマン帝陵を追加したり、線香村に立ち寄ったりと、自由にカスタマイズしてください。

最適な旅でホイアンからフエを満喫