
ベトナム有数のビーチリゾート、ニャチャンへの旅行を計画する際、多くの人が最初に疑問に思うのは「ベトナムのニャチャンへ行くには、どの空港を使えばいいのだろう?」ということではないでしょうか。実は、ニャチャン観光の玄関口となる主要な空港は、ニャチャン市内から少し離れた場所にあります。
この記事では、ニャチャン旅行の第一歩となる空港の基本情報から、具体的なアクセス方法までを網羅的に解説します。まず、多くの人が知りたいニャチャン空港の名前や、航空券予約に必須のニャチャン空港の空港コード(CXR)といった基礎知識から始めます。また、日本からの旅行者にとって重要な、東京からニャチャンまで直行便の有無や、ニャチャン空港はどこの都市から就航しているかについても詳しくご紹介します。
さらに、空港到着後の動きもスムーズになるよう、国際線と国内線のターミナルの違いや、最も重要なカムラン空港からニャチャン市内への移動方法を徹底的に掘り下げます。費用を抑えたい方に最適な空港バスの利用法や時刻表、快適さを求める方向けの配車アプリGrabや空港送迎サービスまで、あなたの旅のスタイルに合った選択ができるよう、多角的な情報をお届けします。
記事のポイント
ニャチャンの主要空港の基本情報がわかる
日本からニャチャンへの具体的な行き方がわかる
空港のターミナル構造と移動方法がわかる
空港からニャチャン市内までの最適なアクセス手段が見つかる
ニャチャンの空港に関する基本情報
ベトナムのニャチャンへ行くには?
ベトナムの美しいビーチリゾート、ニャチャンへの渡航を考える場合、まず知っておくべきはアクセス方法です。現在のところ、日本からニャチャンへは乗り継ぎ便を利用するのが一般的な渡航手段となります。フライト時間と乗り継ぎ時間を含めると、総移動時間は少なくとも10時間以上を見込むのが現実的です。
主に二つのルートが考えられます。一つは、ベトナム国内の主要都市であるハノイ(HAN)またはホーチミン(SGN)まで行き、そこでベトナム航空やベトジェットエアなどのベトナム国内線に乗り換えてニャチャンへ向かう方法です。このルートを選ぶと、ベトナムの二大都市の活気ある雰囲気を少し感じてからリゾート地へ向かう楽しみがあります。日本からハノイやホーチミンまでは約5〜6時間、そこからニャチャンまでは約1時間半〜2時間のフライトです。
もう一つの方法は、韓国のソウル(ICN)や釜山(PUS)、あるいは他のアジアの都市を経由して、国際線を乗り継いで直接ニャチャンの最寄り空港へ入国するルートです。この場合、ベトナム国内での乗り換えの手間が省けるという利点があります。特に韓国の航空会社はニャチャンへの便が充実している傾向にあります。いずれのルートを選択するにしても、乗り継ぎ時間やフライトのスケジュールを事前にしっかりと確認し、ご自身の旅の計画に合った航空券を手配することが旅の始まりの鍵となります。
主要なベトナム・ニャチャン市の空港
旅行者が「ニャチャンの空港」と呼ぶ場合、それは一般的に「カムラン国際空港」を指します。ここで注意したいのは、この空港がニャチャン市の中にはなく、南に隣接するカムラン市に位置しているという点です。カムランは、天然の良港を持つことから古くから軍事的な要衝として知られ、空港も元々は軍用飛行場として建設された歴史を持ちます。
このカムラン国際空港は、ニャチャンの中心市街地から南へ約35km離れた場所にあります。そのため、空港に到着してからニャチャン市内のホテルまでは、車で約45分から60分程度の移動時間を見込んでおく必要があります。この移動時間とコストは、ニャチャン旅行の計画を立てる上で考慮すべき重要な要素です。
ちなみに、かつてはニャチャン市内に「ニャチャン空港」という小規模な空港が存在していましたが、こちらは軍用との兼用で手狭になったことなどから民間定期便の運用を終了しました。現在、国内外からの観光客を迎えるベトナム・ニャチャン市の空港としての役割は、全てカムラン国際空港が担っています。したがって、ニャチャンへの旅行を計画する際は、このカムラン国際空港(CXR)を利用することになります。
ニャチャン空港の名前と空港コード
ニャチャン旅行の航空券を手配する上で、正確な空港名と空港コードを知っておくことは不可欠です。ニャチャンの玄関口となる空港の正式名称は「カムラン国際空港」(ベトナム語: Sân bay Quốc tế Cam Ranh / 英語: Cam Ranh International Airport)です。
そして、航空業界で都市や空港を識別するために用いられる3レターコード(IATAコード)は「CXR」となります。このコードは、空港が位置する都市「Cam Ranh」に由来しており、航空券の予約サイトや航空会社のウェブサイトでフライトを検索する際に、目的地に「カムラン」または「CXR」と入力することで、正しくニャチャン行きの便を探すことが可能です。
「ニャチャン」と入力しても多くの予約サイトでは自動的にカムラン空港(CXR)が候補として表示されますが、特に乗り継ぎ便などを細かく調べる際には、正式名称と空港コードを覚えておくと、より確実に、そして間違いなく航空券の手配を進められます。
東京からニャチャンまで直行便はない
日本からニャチャンへの旅行を計画する際、最も留意すべき点の一つが直行便の有無です。2025年現在、東京(成田・羽田)を含む日本のどの都市からも、ニャチャンのカムラン国際空港への定期直行便は就航していません。過去に期間限定でチャーター便が運航されたことはありますが、通年での定期便はない状況です。
このため、日本からニャチャンへ向かうには、必ず第三国またはベトナム国内の都市で最低1回の乗り継ぎが必要となります。乗り継ぎの手間や時間がかかることは、ニャチャン旅行のデメリットと感じる方もいるかもしれません。特に小さなお子様連れや、長時間の移動が苦手な方にとっては、負担に感じられる可能性があります。
しかし、逆に言えば、乗り継ぎ地での滞在をプラスして、一度の旅行で二つの都市を楽しむといったプランニングも可能です。いずれにしても、ニャチャンへの渡航には乗り継ぎが必須であると理解した上で、総移動時間や乗り継ぎの待ち時間、航空券の料金などを総合的に比較検討し、ご自身の旅のスタイルに最も適したフライトを選択することが大切になります。
ニャチャン空港はどこの都市から就航?
カムラン国際空港は、国際空港として、またベトナム南部の主要空港として、国内外の多くの都市と結ばれています。日本からの直行便はありませんが、経由地となる都市の選択肢は豊富にあり、旅行のプランニングに幅を持たせてくれます。
国際線の主な就航都市
国際線では、特に韓国からの便が充実しており、ソウル(仁川)や釜山からは複数の航空会社が就航しています。その他、中国の成都や昆明、タイのバンコク、マレーシアのクアラルンプール、カザフスタンのアルマトイなど、アジアの各都市から直行便が運航されています。これらの都市を経由することで、日本からニャチャンへアクセスすることが可能です。
国内線の主な就航都市
ベトナム国内線においては、二大ハブ空港であるハノイとホーチミンから多数の便が毎日運航されており、最も一般的な乗り継ぎルートとなっています。特にベトナム航空は1日に複数便を運航しているのに対し、LCCのベトジェットエアは便数が少ない場合があるため、万が一の欠航や遅延時の振替を考慮すると、ベトナム航空の方が選択肢が多く安心感があると考えられます。その他、中部の主要都市ダナンや、北部の港町ハイフォンなどとも結ばれています。
これらの就航都市や便数は航空会社のスケジュールによって変動するため、旅行計画の際には最新の情報を航空会社の公式サイトなどで確認することをお勧めします。
ニャチャンの空港からのアクセス方法
ターミナルごとの特徴と移動手段
カムラン国際空港には、国際線が発着する「ターミナル2(T2)」と、主に国内線が発着する「ターミナル1(T1)」の二つの旅客ターミナルがあります。どちらのターミナルに到着するかは、利用するフライトのルートによって決まります。ハノイやホーチミンで乗り継いだ場合は国内線ターミナル、韓国などを経由した場合は国際線ターミナルに到着します。
各ターミナルの特徴
ターミナル2(国際線)は2018年にオープンした比較的新しい建物で、竜が空へ昇る姿をイメージした印象的なデザインが特徴です。内部は広々としていますが、施設は比較的シンプルで、免税店や飲食店は限られています。到着ロビーには両替所やSIMカードのカウンターがありますが、一般的に市内の両替所よりもレートが若干悪い傾向にあるため、ここでは最低限の金額(3,000円〜5,000円程度)を両替するに留めておくのが賢明です。
一方、ターミナル1(国内線)は以前からの建物で、国際線ターミナルに比べると小規模ですが、ベトナムフォーの食堂やバーガーキング、お土産物店などがいくつかあり、少し時間に余裕があるならこちらで軽食をとることも可能です。
ターミナル間の移動
この二つのターミナルは隣接しており、屋外の通路を歩いて簡単に移動することが可能です。所要時間は大人の足で5分程度と近く、スーツケースを持っての移動も全く問題ありません。国際線ターミナルの建物を出て左手(南方向)へ案内表示に従って直進するだけなので、迷う心配はほとんどないでしょう。国際線で到着後、国内線ターミナル側から出ている本数の多いバスを利用する場合など、ターミナル間を移動する機会は十分に考えられますので、この距離感を知っておくと安心です。
カムラン空港からニャチャン市内への移動方法
カムラン国際空港から約35km離れたニャチャン市内中心部へのアクセスには、いくつかの選択肢があります。それぞれの料金、所要時間、利便性が異なるため、ご自身の予算や旅のスタイル、到着時間に合わせて最適な方法を選ぶことが、快適な旅のスタートにつながります。
主な移動手段は、経済的な「空港バス」、快適で便利な「タクシー(配車アプリGrab含む)」、そして安心感のある「空港送迎サービス」の3つです。以下に、それぞれの特徴をまとめました。
このように、コストを最優先するなら空港バス、時間と快適さを優先するならタクシーやGrabが適しています。特に初めての訪問や深夜の到着で不安な場合は、少し割高でも事前予約ができる空港送迎サービスを利用すると、安心してホテルまで移動できるでしょう。
最も経済的な移動手段は空港バス
空港からニャチャン市内への移動費用を可能な限り抑えたい旅行者にとって、空港バスは最も魅力的な選択肢です。タクシーを利用した場合と比較すると、料金は数分の一で済み、非常に経済的だと言えます。
バスのチケットカウンターは、各ターミナルの出口を出てすぐの分かりやすい場所にあります。特に国内線ターミナル側は、横断歩道を渡った先に立つ黄色い建物がチケット売り場となっており、非常に目立つため見落とすことはないでしょう。
カムラン空港から出ているバスには、主に2種類あります。一つは車体が黄色い「シャトルバス」で、料金は65,000VND(約400円)程度です。もう一つは黒い車体の「リムジンバス」で、こちらは座席数が少なく快適性が高い分、料金も少し高く100,000VND(約620円)程度となります。どちらのバスに乗車するかは、チケット購入時に次の便として待機している車両によって決まるため、基本的には選べません。チケット購入時にホテルの名前を伝えると、シャトルバスの場合は近くのバス停、リムジンバスの場合はホテルの目の前まで送ってくれることもあります。大きな荷物はバスの下の荷物スペースに預けることができるので、スーツケースがあっても安心です。
バスの時刻表と運行について
空港バスの利用を検討する際に気になるのが、運行スケジュールです。バスは公式には30分ごとなどとされていますが、実際の運行は少し特殊で、定刻通りに出発するというよりは「乗客が集まり次第出発する」という形式を取っています。満席に近い状態になるとすぐに出発するため、バスに乗る前にトイレなどを済ませておくのが賢明です。そのため、バスに乗車してから何十分も待たされるということは少なく、比較的スムーズに出発することが多いようです。
ただし、注意点もあります。最も大きな注意点は、深夜や早朝の運行です。フライトが少ない時間帯には、バスの運行が終了している可能性があります。ご自身のフライトが夜遅くに到着する場合や、朝早くに出発する場合には、バスが利用できないケースを想定しておく必要があります。その場合は、タクシーやGrabといった他の移動手段を確保しておくことが肝心です。
日中の明るい時間帯にバスで移動する場合、ルートによってはニャチャンの美しい海岸線を車窓から楽しむことができます。ビーチ沿いを走りながら市内へ向かう時間は、リゾートへの期待感を高めてくれるでしょう。ただし、ベトナムの交通事情として、運転が日本に比べて荒いと感じることもあるかもしれません。
Grabや便利な空港送迎サービス
利便性、快適性、そして安心感を優先するならば、配車アプリ「Grab」の利用や、事前に予約する空港送迎サービスが最適な選択肢となります。特にバスが運行していない深夜や早朝の到着、また小さなお子様連れや荷物が多い場合に大変便利です。
配車アプリGrab
Grabは、東南アジアで広く使われている配車サービスで、日本にいる間にアプリをスマートフォンにダウンロードし、クレジットカード情報を登録しておけば、非常にスムーズに車を手配できます。最大のメリットは、乗車前に目的地までの料金が確定する点です。これにより、メーターの不正使用や不当な料金請求といった、海外でありがちなタクシーのトラブルをほぼ完全に避けることができます。空港の公式な乗降エリアで、アプリに表示される車のナンバーと車種を確認してから乗車しましょう。
空港送迎サービス
特に初めてニャチャンを訪れる方や、語学に不安がある方におすすめなのが、旅行会社などを通じて事前に予約しておく空港送迎サービスです。ドライバーが到着ロビーで名前の書かれたボードを持って待っていてくれるため、迷うことなく合流できます。料金は定額制で、フライトの遅延などにも柔軟に対応してくれる場合が多く、何よりもその安心感が大きな魅力です。空港でタクシーを探したり、料金を交渉したりする手間を一切省き、ストレスなくホテルまで直行したい場合に最適なサービスと言えます。