韓国旅行の楽しみのひとつといえば、やはり現地の本格グルメ。その中でも、ソウルで味わうソルロンタンは、寒い時期はもちろん、旅の疲れた体にも優しい定番料理として多くの人に親しまれています。あっさりとした白濁スープに牛肉やそうめん、ご飯が入ったこの一杯は、辛い料理が苦手な人や朝食をしっかり摂りたい人にもぴったりです。
この記事では、ソウルでソルロンタンを楽しみたい方のために、地元で愛される老舗や観光客に人気の有名店、さらに路地裏の穴場までを厳選してご紹介します。それぞれのお店の特徴やアクセスのしやすさ、味の違いまで詳しく解説しているので、旅のプランに合わせてお気に入りの一軒を見つけてみてください。
記事のポイント
- ソウルで人気のソルロンタンの老舗・有名店の特徴
- ソルロンタンの基本的な食べ方と味の調整方法
- 一人でも入りやすいソルロンタン店の選び方
- 朝食や冬の食事におすすめの店舗と活用シーン
ソウルでソルロンタンの老舗や有名店を食べ比べ！本場の味を楽しむ旅
韓国でソルロンタンが愛され続ける理由とは？
ソルロンタンは、韓国の食文化において特別な存在です。長年にわたり多くの人に親しまれているのは、単なるスープ料理を超えた役割があるからです。
まず、身体に優しいことが挙げられます。牛骨をじっくり煮込んで作られる白濁スープには、コラーゲンやミネラルが豊富に含まれており、風邪を引いたときや胃腸が弱っているときにも食べやすいという特徴があります。刺激の強い韓国料理の中では珍しく、辛くないため老若男女問わず食べやすい料理として重宝されています。
また、ソルロンタンは「自分好みに味を調整できる」という点も人気の理由です。塩やコショウ、刻みネギ、タテギ（特製ダレ）などがテーブルに用意されているのが一般的で、スープに足して味を調整する文化が根付いています。この自由度の高さが「シンプルなのに奥深い味」を生み出し、飽きずに何度も食べたくなる理由の一つです。
一方で、初めて食べる人は「味が薄い」と感じるかもしれません。これは、ベースのスープに塩気をほとんど加えていないためで、調味料で仕上げる前提のスタイルになっています。そのため、何も加えずに食べると物足りなさを感じやすい点には注意が必要です。
こうした背景から、ソルロンタンは韓国の日常食として、朝食や夜食、さらには体調を整えたいときの定番メニューとして深く根付いているのです。
明洞で見つけた老舗のソルロンタン専門店「味成屋」
明洞でソルロンタンを探しているなら、1966年創業の「味成屋（ミソンオク）」は見逃せない名店です。観光地の中心にありながら、地元の人にも長年愛され続けている老舗です。
このお店の魅力は、メニューのシンプルさにあります。看板メニューであるソルロンタンと、もう一品の茹で牛肉（スユク）しかないため、素材と味に絶対の自信があることがうかがえます。牛バラ肉とそうめんが入ったスープは、脂っこさが少なく、朝でも重く感じない優しい味わいです。別添えのご飯をスープに加えて食べるのが定番のスタイルで、クッパのような食べ方ができます。
店舗は明洞の路地裏にあり、少し見つけづらい場所ですが、その分、落ち着いた雰囲気の中で食事ができるのもポイントです。朝6時から営業しており、観光の前にしっかり朝食をとりたい人にもおすすめできます。
ただし、人気店ゆえに昼時や観光シーズンには混み合うことも多く、並ぶ可能性がある点は覚えておきましょう。また、店内は広いとはいえ団体客が入るとやや騒がしくなることもあるため、静かに食事をしたい場合は時間帯をずらして訪れるのが安心です。
伝統を守りつつ観光客にもやさしい「味成屋」は、明洞を訪れるなら一度は体験しておきたい一軒です。
創業100年超！歴史ある人気店「里門ソルロンタン」
1904年に創業した「里門ソルロンタン（イムンソルロンタン）」は、ソウルで最も古い飲食店のひとつとされています。韓国の食の歴史に名を刻む存在であり、ミシュランガイドにも何度も掲載された実績があります。
店の特徴は、17時間以上かけてじっくり煮込んだ牛骨スープ。そのスープは真っ白に透き通り、あっさりとしながらもコクが深く、食べ進めるほどに旨味を感じられる仕上がりです。使用されている牛肉は高品質な韓牛。とろけるように柔らかく、ご飯やそうめんと一緒に食べると、さらに満足度が高まります。
テーブルには刻みネギや塩、胡椒、タテギ（辛味ダレ）が並んでおり、味を自分好みに調整できるのも魅力です。ただ、初めて訪れる人はスープにあまり塩気がないと感じるかもしれません。好みに合わせて調味料を加えることを前提としているため、味の調整を怠ると少し物足りなく感じてしまうことがあります。
店内は落ち着いた雰囲気で、朝8時から営業しているため、旅行中の朝食スポットとしても利用しやすいです。しかも、ご飯のおかわりが無料というサービスもあり、「パッチョムトジュセヨ（ご飯をもう少しください）」と伝えれば快く対応してもらえます。
歴史を感じさせる外観と、伝統的な味わいを守り続ける一杯。その価値は、観光客だけでなく地元の常連客からも長く支持されていることからも伺えます。
地元民も通う麻浦の有名ソルロンタン店「麻浦屋」
「麻浦屋（マポオク）」は1949年に創業し、地元住民からも厚く信頼されているソルロンタンの名店です。ソウル・麻浦駅近くに位置し、アクセスの良さから観光客にも利用しやすい立地となっています。
提供されるソルロンタンは、牛トモバラ肉や牛バラ肉がたっぷりと入った、肉の旨味をしっかり感じられるタイプです。スープにはそうめんとご飯も入っており、一杯でしっかりと満腹になれる構成になっています。味の奥深さとボリューム感が評価され、こちらもミシュランガイドに掲載されています。
他にも、茹で牛肉（スユク）を使った料理が人気で、脂がのった柔らかいトモバラ肉が使用されています。お肉本来の味を楽しみたい方には特におすすめです。
ただし、他の店と比べると価格設定はやや高めです。量や質を重視する人にとっては納得の内容ですが、「安くお腹を満たしたい」という目的で訪れると、コストパフォーマンスに物足りなさを感じるかもしれません。
店内は清潔感があり、ひとりでも入りやすい雰囲気。朝7時から夜遅くまで営業しているため、スケジュールに合わせて気軽に立ち寄れるのも利点です。クオリティの高い一杯を求めて、多くの常連客や通な観光客が足を運ぶ、麻浦の代表的なソルロンタン専門店です。
ソウル駅からアクセスしやすいおすすめの老舗店
ソウル駅周辺でソルロンタンを味わいたいときは、徒歩圏内にある老舗の一軒「麻浦屋（マポオク）」が便利です。地下鉄や空港鉄道のアクセスも良好で、初めてソウルを訪れる旅行者でも迷いにくい立地にあります。
麻浦屋は1949年創業という長い歴史をもち、地元の人からも長く支持されている実力派。観光地の喧騒から少し離れたエリアに位置しているため、比較的落ち着いた雰囲気で食事を楽しめます。ソウル駅からタクシーで数分、徒歩でも20分以内という距離感なので、乗り継ぎの合間や初日のランチにも最適です。
提供されるソルロンタンは、スープのコクと牛肉の旨味がしっかりと引き出されたバランスの良い味わいで、ボリュームもたっぷりあります。ただし、一般的な価格帯の店より少し高めに設定されているため、価格重視でお店を探している人にはやや不向きかもしれません。
店内は広く、カウンター席やテーブル席も多いため、おひとりさまでも入りやすいのがポイントです。朝早くから夜遅くまで営業しているため、フライト前後の食事にも利用しやすく、旅のスタートや締めくくりにぴったりのお店といえます。
ソルロンタンと一緒に楽しむキムチの魅力とは
ソルロンタンを語る上で欠かせないのが、キムチの存在です。店によっては「ソルロンタンを食べるならキムチもセットで」と言われるほど、両者は切っても切れない関係にあります。
白濁スープのソルロンタンは、基本的にあっさりとした味付けになっており、塩気や酸味の強いキムチが絶妙なアクセントになります。特に白菜キムチとカクテキ（大根キムチ）は多くの店舗で用意されており、スープに足しながら食べることで、味に深みと変化を加えることができます。
例えば「里門ソルロンタン」では、手作りキムチがテーブルに備え付けられており、自分で好きな量を取り分けていただけます。味がしっかりしているので、塩分控えめのスープとの相性が非常に良く、食欲が増すという声も多く聞かれます。
ただし、キムチは発酵が進んでいる場合、酸味が強く感じられることがあります。好みが分かれるところなので、初めての方は少量ずつ試しながら味のバランスを見てみると良いでしょう。酸っぱいキムチが苦手な方には、カクテキの方が食べやすいかもしれません。
また、キムチの辛さで舌が刺激された後に、まろやかなスープをすすることで、味覚のリセット効果も生まれます。単体ではなく、交互に食べることでそれぞれの魅力を引き出し合える、そんな関係性がソルロンタンとキムチにはあるのです。
ソウルでソルロンタンを120％楽しむための食べ方と選び方ガイド
初めてでも安心！ソルロンタン専門店での注文方法
韓国のソルロンタン専門店は初めてだと少し戸惑うかもしれませんが、注文の流れはとてもシンプルです。メニュー数が少ない店が多く、基本は「ソルロンタン」を1つ注文するだけで成立します。
店に入ったら、店員に「ソルロンタン ジュセヨ（ソルロンタンをください）」と伝えるだけでOKです。もし他のメニューがある場合でも、代表的なものは壁に写真付きで掲示されていることが多く、指差しでも十分に伝わります。日本語や英語が通じないお店もありますが、落ち着いてジェスチャーを使えば問題なく注文できるでしょう。
提供されるスタイルはお店によって多少異なります。ご飯がスープに最初から入っている場合と、別添えで出される場合があり、後者なら自分でスープに入れてクッパ風に楽しむことも可能です。
なお、多くの店舗では水とキムチ、調味料がテーブルに置かれています。水はセルフサービスのところもあるので、入口近くや壁際をチェックしてみてください。また、ご飯のおかわりが無料の店もあり、「パッチョムトジュセヨ（ご飯をもう少しください）」と声をかけると、おかわりがもらえることもあります。
支払いは食後にレジで行う形式が一般的です。現金はもちろん、カードも使えるお店が増えていますが、小規模な店では現金が安心かもしれません。
おすすめの食べ方と味変アイテムをチェックしよう
ソルロンタンは見た目に反して、味付けがかなり控えめな料理です。そのままでも牛骨の風味を感じられますが、途中で味を調整していくのが定番の食べ方とされています。
最初は、何も加えずスープをひと口飲んでみてください。そのあと、卓上に置かれている塩を少量ずつ加えていくと、スープにコクと深みが出てきます。塩の加減は自分の好みに合わせて調整できますが、最初から入れすぎると全体のバランスが崩れるので注意が必要です。
次に試したいのが、刻みネギとコショウ。ネギはスープにさっぱりとした香りを加え、後味をすっきりさせてくれます。コショウをふることで、ほんのりスパイシーなアクセントが生まれ、食欲がさらに引き立ちます。
もう一つの注目アイテムが「タテギ」と呼ばれる特製の辛味ダレです。唐辛子ベースで、スープに加えると一気に韓国料理らしい味わいに変わります。辛いものが好きな人にはぴったりですが、少しずつ加えて様子を見るのが無難です。
味を変える順番としては、塩→ネギ→コショウ→タテギの順がおすすめです。少しずつ組み合わせて、自分だけのバランスを見つけるのもソルロンタンの楽しみ方のひとつです。
一杯の中で味に変化をつけながら食べることで、最後まで飽きずに美味しくいただけます。好みに応じてキムチやカクテキを合間に挟むと、より一層満足感のある食事になります。
明洞観光のついでに立ち寄りたい穴場店はここ！
明洞エリアで観光を楽しみながら、少し静かに食事をしたいときには「味成屋（ミソンオク）」がぴったりです。繁華街の中心から少し奥まった場所にあり、にぎやかなメインストリートとは違った落ち着いた雰囲気を味わえます。
1966年創業の老舗で、地元の人たちにも根強く支持されているお店です。朝6時から営業しているため、朝食としての利用もできますが、ランチタイムに訪れても比較的スムーズに入店できることが多く、混雑を避けたい人にも向いています。
この店では、ソルロンタンとスユク（茹で牛肉）の2つしかメニューがありません。シンプルだからこそ、一品一品の質が高く、丁寧に作られていることが伝わってきます。特にソルロンタンは、牛バラ肉の柔らかさとスープのまろやかさが絶妙で、別添えのご飯をスープに入れて食べるスタイルが一般的です。
店構えはやや控えめで、看板も大きくないため見落としやすいかもしれません。地図アプリを使って確認しながら歩くと安心です。場所さえ分かれば、観光の合間に立ち寄れるちょうどいい距離感にあります。
人通りの多い明洞で、ちょっと一息つける隠れ家的な食事処を探しているなら、この店は間違いなくおすすめできます。
ソウルで朝食にぴったりなソルロンタンのお店
旅行中の朝は軽めの食事で済ませたいけれど、しっかりと体を温めたいときには、ソルロンタンがぴったりです。特に寒い時期や、前日に胃が疲れているときなどに選ばれやすい朝ごはんとして定番となっています。
その中でも、「里門ソルロンタン（イムンソルロンタン）」は、朝8時から営業しており、観光前の朝食にちょうどいい時間帯で利用できます。100年以上の歴史をもつこのお店では、じっくり煮込まれたスープに素麺とご飯が入っており、ボリュームはありながらもあっさりとした味わいが特徴です。
また、明洞エリアにある「味成屋」も朝6時から開いており、ホテルを出てすぐに温かい食事をとることができます。こちらはご飯が別添えになっているため、自分のタイミングでスープに入れたり、交互に食べたりと自由度の高い朝食になります。
朝の時間帯は混雑も比較的少なく、1人で訪れても落ち着いて食事ができるのもポイントです。短時間で食べられるため、次の予定までの隙間時間にも重宝します。
ただし、スープは基本的に薄味なので、調味料での味付けを前提にしている点は覚えておくと良いでしょう。朝の優しい一杯として、旅のスタートにぴったりの一品です。
冬の韓国旅行に最適！体が温まるご当地グルメ
寒さの厳しい冬の韓国では、体を芯から温めてくれるグルメが特に人気です。その中でも、ソルロンタンは気候と相性の良い料理として多くの人に選ばれています。
牛骨をじっくり煮込んで作られるスープは、まろやかな口当たりと深いコクが特徴です。長時間煮込むことでエキスがしっかりと引き出されており、栄養価が高いことでも知られています。外の冷たい空気に触れたあと、一口飲めば体の内側からじんわり温まっていくのがわかります。
特に朝や夕方など気温が下がる時間帯に食べると、その効果を実感しやすいでしょう。旅行中の冷えや疲れも和らぎ、翌日の行動に備えるエネルギー補給にもなります。
ただし、スープ自体は薄味なので、何も加えずに飲むと物足りなく感じるかもしれません。塩やネギ、コショウなどで自分好みに調整することで、より深い満足感が得られます。
旅行中に外でのアクティビティが多くなりがちな冬。そんなときこそ、ゆっくり腰を落ち着けて味わえる一杯の温かいスープが、旅の記憶をより濃くしてくれるかもしれません。
一人旅でも入りやすいソルロンタン専門店の魅力
ソウルのソルロンタン専門店は、一人で入りやすい飲食店としても注目されています。カウンター席や小さなテーブルを備えているお店が多く、グループ客に囲まれることなく落ち着いて食事ができる環境が整っています。
店内の雰囲気もアットホームで、注文の仕方もシンプルなため、韓国語が話せなくても困る場面はほとんどありません。「ソルロンタン、ジュセヨ」と一言伝えるだけでオーダーが完了し、言葉の壁を意識せずに食事ができるのは心強いポイントです。
また、料理の内容も一人前で完結しており、特別な取り分けや追加注文をしなくても満足できる構成になっています。スープにそうめんやご飯が最初から入っているスタイルなら、手間も少なく自然とリラックスして食べられるでしょう。
ただし、混雑時には席の回転が早いお店もあるため、食事に時間をかけたい場合はピーク時間を避けるとより快適に過ごせます。
旅先で気軽に入れる店を探すのは意外と難しいものですが、ソルロンタン専門店はそのハードルが低く、短時間でしっかりと栄養が摂れるという面でも、一人旅との相性がとても良い料理です。
