ホーチミンからの旅行先として、ブンタウを検討しているものの、具体的な楽しみ方がわからずお困りではありませんか。ベトナムのブンタウへ行くにはどんな行き方があるのか、年間天気から見たベストシーズンはいつなのか、旅の計画には情報が欠かせません。この記事では、ホーチミンから日帰りでも訪れることができるブンタウの観光情報を網羅的に解説します。おすすめの観光スポットや絶品グルメ、快適なホテル、さらにはユニークな温泉まで、ブンタウの見どころを余すところなく紹介します。まるで観光マップを片手に旅をするように、メインストリートの歩き方から旅のプランまで、あなたの知りたい情報がここにあります。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
記事のポイント
- ブンタウが他のリゾート地より安価に観光できる理由
- ホーチミンからブンタウまでの最適なアクセス方法と比較
- 必ず訪れたい観光名所や味わうべき名物グルメ
- 日帰りや宿泊など滞在スタイルに合わせた楽しみ方
なぜブンタウの観光はコスパが良いのか
ベトナムのブンタウへ行くには？おすすめの行き方
ホーチミン市からブンタウへのアクセスは、主にバスか高速船を利用するのが一般的です。どちらの方法にも利点と注意点があるため、ご自身の予算や旅のスタイルに合わせて選ぶことが大切になります。
最も手軽で経済的な選択肢はバス移動です。特に旅行者には、快適なリクライニングシートやUSBポートを備えたリムジンバスが人気を集めています。「Vie Limo」や「Hoa Mai」といったバス会社がホーチミン市1区などからブンタウ行きの便を30分から1時間間隔で頻繁に運行しており、所要時間は交通状況によりますが約2時間半から3時間です。料金も比較的安価で、各社のアプリやウェブサイトから事前にオンラインで予約できるため、計画的に移動したい方には適していると考えられます。
一方、ユニークな移動体験を求めるのであれば、高速船という選択肢もあります。ホーチミン市1区のバクダン船着き場から「GreenlinesDP」社の高速船が運航しており、約2時間でブンタウに到着します。船旅では、ホーチミン市の都市の景色から、次第に広大なサイゴン川、そしてマングローブの森へと移り変わる風景を楽しめるのが大きな魅力です。料金はバスより高めになりますが、交通渋滞の影響を受けずに時間通りに移動できるメリットがあります。船内はエアコンが完備され、トイレや軽食の販売もあるため快適です。ただし、天候によっては揺れることもあるため、船酔いが心配な方は酔い止め薬を準備しておくと安心です。
なお、タクシーをチャーターする方法もありますが、料金が非常に高額になる上に、長距離のため運転手に乗車を断られるケースも少なくありません。これらの理由から、利便性とコストのバランスを考えると、旅行者にとってはバスか高速船が現実的で推奨される移動手段と言えます。
ホーチミンから日帰りで楽しめる観光スポット
ブンタウはホーチミン市から片道2～3時間という近さにあるため、日帰り旅行先としても非常に人気があります。時間が限られている中でも、ブンタウの主要な観光スポットを巡ることは十分に可能です。
日帰り旅行で外せないのが、ブンタウのシンボルであるキリスト像です。小高い山の頂上に立つ高さ32メートルの巨大な像へは、麓から約800段の石段を20～30分ほどかけて登ります。像の内部は展望台になっており、肩の部分からブンタウの街と美しい海岸線を一望できます。この絶景は、汗を流して登る価値のあるものです。ただし、像の内部に入るには、タンクトップや短パンといった肌の露出が多い服装は禁止されているため、羽織るものを持参するなど配慮が必要です。
また、ビーチでのんびりとした時間を過ごすのも良いでしょう。ブンタウで最も賑わうバックビーチを散策したり、ビーチ沿いに並ぶ庶民的な海の家で新鮮なシーフードランチを楽しんだりするだけでも、都会の喧騒から離れてリフレッシュできます。
さらに、地元の文化に触れたいのであれば、タンタム廟（鯨寺）への訪問もおすすめです。漁師たちの海の安全と豊漁を祈願して建てられたこの廟には、神の使いとされるクジラの巨大な骨が祀られており、港町ならではの独特の雰囲気を感じられます。毎年旧暦の8月には盛大なお祭りも開催されます。
ただし、日帰り旅行では滞在時間が限られるため、全ての観光地を網羅するのは難しいのが実情です。特に、ケーブルカーで向かう遊園地「ホーメイパーク」や郊外のビンチャウ温泉などは、一日がかりになるため日帰りプランには不向きです。夜のナイトマーケットといった夜のエンターテイメントも、当然ながら宿泊しなければ体験できません。
もし効率よく主要な名所だけを巡りたいのであれば、ホーチミン発の日帰りツアーに参加するのも一つの賢い選択です。日本語ガイド付きのツアーを選べば、移動や食事場所の心配をすることなく、限られた時間を最大限に活用できるでしょう。
年間天気でわかるベストシーズン
ブンタウは熱帯モンスーン気候に属し、年間を通して温暖なため、基本的に一年中ビーチリゾートとして楽しむことができます。しかし、旅行の快適さを大きく左右する乾季と雨季が存在するため、それぞれの季節の特徴を理解して訪れる時期を選ぶのが良いでしょう。
ブンタウ観光のベストシーズンは、乾季にあたる12月から4月頃です。この時期は降水量が少なく晴天の日が続くことが多いため、海水浴や街の散策に最も適しています。空気が乾燥していて日中の日差しも心地よく、青い空と海が広がる風景は写真撮影にも最適です。気温も安定しており、カラッとした過ごしやすい気候の中で快適に観光を楽しめます。特に年末年始やベトナムの旧正月（テト）の時期は国内外からの観光客で賑わいますが、その分ホテルや交通機関の料金が高騰する傾向にある点には注意が必要です。
一方、5月から11月頃は雨季となります。雨季と聞くと旅行をためらってしまうかもしれませんが、日本の梅雨のように一日中雨が降り続くことは稀です。多くは午後に1〜2時間程度の短時間のスコールが降る程度で、雨が上がれば再び晴れ間がのぞきます。この時期は観光客が比較的少なくなるため、混雑を避けてゆっくりと観光したい方にはむしろ狙い目かもしれません。雨宿りを兼ねてお洒落なカフェで過ごしたり、緑がより一層濃くなった南国らしい生き生きとした風景を楽しんだりするのも良いでしょう。
どちらの季節に訪れるにしても、日差しは強いため、日焼け止めや帽子、サングラスといった紫外線対策は必須です。乾季でも朝晩は少し肌寒く感じることがあるため薄手の羽織るものを、雨季には折り畳み傘や濡れても乾きやすいサンダルなどがあると便利です。
ブンタウの月別平均気温と降水量
観光マップで見るブンタウの見どころ
ブンタウの街は南シナ海に突き出た半島に位置しており、主要な観光スポットや見どころは比較的コンパクトにまとまっています。そのため、地図を頭に入れておくと、Grabなどの配車アプリやレンタルバイクを利用して効率的に街を散策することが可能です。
ブンタウの地理は、大きく3つのエリアに分けて考えると分かりやすくなります。
一つ目は、半島の南東側に広がる「バックビーチ（Bãi Sau）」エリアです。ここはブンタウで最も長く、観光客で賑わうメインの海水浴場であり、「観光客向けの賑やかなエリア」と言えます。ビーチ沿いには大型ホテルやリゾート、レストラン、シーフードの屋台などがずらりと並んでおり、ブンタウ観光の中心地となっています。初めて訪れるのであれば、このエリアを拠点にすると何かと便利でしょう。
二つ目は、半島の南西側に位置する「フロントビーチ（Bãi Trước）」エリアです。こちらは「地元民の憩いの場」といった趣で、バックビーチに比べると規模は小さいですが、湾になっており波が穏やかで、美しい夕日が見られることで知られています。公園として整備されており、地元の人々がのんびりと過ごす姿が多く見られます。落ち着いた雰囲気を好む方におすすめのエリアです。
三つ目は、これら二つのビーチの南端にそびえる「小山（Núi Nhỏ）」エリアです。この「歴史と絶景のエリア」には、ブンタウの二大ランドマークであるキリスト像とブンタウ灯台がそれぞれ立っています。山頂からは街全体と海を見渡す絶景が広がり、必見のビュースポットです。
これらの主要エリアの位置関係を把握しておけば、移動もスムーズになります。例えば、「午前中は小山のキリスト像に登り、午後はバックビーチで過ごし、夕方はフロントビーチで夕日を眺める」といったプランを立てることができます。また、時間があればフロントビーチとバックビーチの間に位置するパイナップルビーチや、さらに北にあるストロベリービーチに足を延ばしてみるのも良いかもしれません。
リーズナブルで快適なホテル選び
ブンタウがコスパの良い観光地と言われる理由の一つに、宿泊施設の料金設定が挙げられます。ダナンやフーコックといったベトナムの他の有名ビーチリゾートと比較して、ブンタウのホテルは全体的にリーズナブルな価格帯で宿泊できる傾向があります。
特に注目すべきは、国際的なブランドの4つ星や5つ星ホテルであっても、驚くほど手頃な価格で宿泊できる点です。例えば、ビジネス利用も多くモダンな雰囲気の「プルマン ブンタウ」や、バックビーチの目の前に位置しクラシックな豪華さが魅力の「インペリアルホテル」、スパ込みのプランが人気の「フュージョンスイーツ ブンタウ」など、高品質なサービスを提供するホテルが、時期によっては1泊1万円前後から見つかることもあります。このような価格設定は、他の主要リゾート地ではなかなか見られません。
この背景には、ブンタウが主にベトナム国内の週末旅行先として発展してきた歴史があり、外国人観光客の割合が他のリゾート地ほど高くないことが影響していると考えられます。そのため、過度な価格競争が抑えられ、旅行者にとっては質の高いホテルに安く泊まれるというメリットが生まれています。
オンライン予約サイトを利用するのが一般的で、早めに予約することでさらに割引料金で宿泊できる可能性があります。もし、さらにお得に宿泊したいのであれば、雨季にあたる5月から10月のオフシーズンを狙うのも一つの手です。この時期は観光客が減少するため、多くのホテルが割引料金を提示します。雨季といっても一日中雨が降るわけではないので、ホテルステイを中心にのんびりと過ごすスタイルの旅行であれば、オフシーズンは非常に魅力的な選択となるでしょう。
ブンタウの観光で外せない体験
賑やかなメインストリートの散策
ブンタウの活気を肌で感じるには、メインストリートの散策が欠かせません。観光の中心となるのは、バックビーチに沿って長く伸びる「トゥイーヴァン（Thùy Vân）通り」です。この通りは、日中は海水浴客で賑わい、夜になると街灯や店のネオンでライトアップされ、また違った顔を見せます。
トゥイーヴァン通り沿いには、大型リゾートホテルから手頃なミニホテル、シーフードレストラン、カフェ、貝殻のアクセサリーなどを売るお土産物屋が軒を連ね、散策しているだけでも楽しめます。特に週末の夜は、ホーチミンなどから訪れた多くの観光客で溢れかえり、お祭りのような雰囲気に包まれます。
この通りの散策でぜひ立ち寄りたいのが、インペリアルホテルの裏手あたりで開催されるナイトマーケットです。ここでは、雑貨や衣類を売る屋台と、新鮮な魚介類をその場で調理してくれる食堂エリアに分かれています。水槽から好きな魚やカニ、ロブスターなどを選び、焼きガキや貝のレモングラス蒸しといった好みの調理法を伝えて注文するスタイルは、港町ならではの体験です。ホーチミン市内で食べるよりも安価にシーフードを堪能できるため、多くの人で賑わっています。
ただし、人が多く集まる場所では、スリや置き引きなどの軽犯罪に注意が必要です。貴重品の管理はしっかりと行い、多額の現金を持ち歩かないようにしましょう。また、一部の店では観光客向けの価格設定になっている場合もあるため、注文前に料金を確認する習慣をつけることも大切です。
新鮮なシーフードなどの名物グルメ
港町であるブンタウを訪れたなら、新鮮な海の幸を味わうことは旅の大きな目的の一つになります。市内の至る所にシーフードレストランがありますが、特に有名なのは海に面した崖の上に立つ「ガンハオ（Gành Hào）」のような大型レストランです。清潔感のある店内で、海を眺めながらゆっくりと食事を楽しみたい方におすすめできます。
シーフードの注文は、生簀や氷の上に並べられた魚介を指さして選ぶのが一般的で、重さで値段が決まります。エビやシャコ、イカ、タコ、そして様々な種類の貝など、日本では見かけないような珍しい食材に出会えることもあります。調理法は、焼く（Nướng）、蒸す（Hấp）、炒める（Xào）などが基本ですが、ニンニク炒め（Xào Tỏi）やタマリンド炒め（Xào Me）など、ベトナムらしい味付けもぜひ試してみてください。
一方で、ブンタウにはシーフード以外にも見逃せない名物グルメがあります。その代表格が「バインコッ（Bánh khọt）」です。これは米粉の生地をたこ焼き器のような専用の型で焼き、上にエビなどを乗せたもので、ブンタウの郷土料理として知られています。外はカリッと、中はもちっとした食感が特徴で、新鮮なハーブと一緒に甘酸っぱいヌックマム（魚醤）ベースのタレにつけて食べます。市内に専門店がいくつもあり、店によって生地の食感も微妙に異なります。
また、「カードゥイ（Lẩu cá đuối）」と呼ばれるアカエイの鍋料理も地元で人気の高い一品です。タマリンドの酸味とハーブが効いた特徴的なスープでアカエイと野菜を煮込んだ鍋は、暑い気候の中でも食欲をそそります。これらの名物料理は、ブンタウの食文化を深く知る上で欠かせない体験となるでしょう。
郊外のビンチャウ温泉でリフレッシュ
ブンタウの魅力はビーチだけにとどまりません。もし時間に余裕があれば、少し足を延して郊外の「ビンチャウ温泉（Bình Châu Hot Springs）」を訪れてみるのもユニークな体験となります。ここは、ベトナムでは珍しい温泉リゾートで、地元の人々にも人気の癒しスポットです。
ビンチャウ温泉はブンタウの中心部から車で約1時間半ほどの場所にあります。日本の温泉とは異なり、水着を着用して入る温水プールのようなスタイルが基本です。広大な敷地内には、温度の異なる複数の浴槽やプールが点在しており、家族連れやカップルが一日中のんびりと過ごしています。
このリゾートの最大の名物は「泥温泉」です。ミネラルを豊富に含んだ温かい泥を全身に塗り、乾いてから温泉で洗い流すというもので、美肌効果が期待できると言われています。料金を支払って泥を受け取り、専用のエリアで体に塗って乾くまで待ち、シャワーで洗い流すという手順で利用します。泥の独特の感触は、他ではなかなかできない貴重な体験です。
また、敷地内には80度以上にもなる源泉が湧き出ているエリアがあり、そこで「温泉卵」を作ることもできます。カゴに入った生の卵を源泉に浸けておくと、数分で美味しいゆで卵が出来上がります。自分で作った温泉卵をその場で味わうのは、旅の良い思い出になるでしょう。敷地内にはワニ釣り体験ができる池や小さな動物園といった施設もあり、一日中楽しめます。
ただし、前述の通りビンチャウ温泉は中心部から距離があるため、訪れるにはタクシーをチャーターするか、現地のツアーに申し込むのが最も手軽で安心です。個人でタクシーをチャーターする場合、往復の料金交渉を事前に行うことを忘れないようにしましょう。
フロントビーチとバックビーチのおすすめ
前述の通り、ブンタウには特徴の異なる二つの主要なビーチ、フロントビーチとバックビーチがあります。どちらのビーチを訪れるかは、旅の目的や誰と訪れるかによって決めると良いでしょう。
バックビーチ（Bãi Sau）
ブンタウで「ビーチ」と言えば、多くの人がまず思い浮かべるのがこのバックビーチです。約3kmにわたって続く広大な砂浜は、ブンタウで最も活気のある場所です。遠浅で波も比較的穏やかなため、海水浴や日光浴を楽しむには最適の環境と言えます。ビーチではジェットスキーやパラセーリングといったマリンアクティビティも楽しめます。ビーチ沿いにはパラソルやデッキチェアのレンタルがあり、多くのレストランや海の家が並んでいるため、一日中過ごしても飽きることはありません。特に週末はホーチミンから来た多くのベトナム人観光客でごった返し、その賑わいもまた一つの魅力です。
フロントビーチ（Bãi Trước）
バックビーチの反対側、半島の西側に位置するのがフロントビーチです。三日月形の美しい湾になっており、バックビーチに比べて観光客の姿は少なく、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。こちらは漁船が停泊している光景も見られ、のどかな港町の風情を感じられます。海水浴よりも、海沿いの公園（クアンチュン公園）を散策したり、ユニークなモニュメントを眺めながらカフェでくつろいだりするのに適しています。特に、海に沈む夕日の景色は格別で、夜になると地元の人々やカップルが涼みに集まる憩いの場となります。
注意点として、ブンタウの海の透明度は、残念ながら沖縄やダナンなどの有名リゾート地ほど高くはありません。近郊での石油採掘の影響を指摘する声もあり、透き通るような海でのシュノーケリングなどを期待していくと、少しがっかりする可能性があります。ブンタウでは、泳ぐことそのものよりも、ビーチの雰囲気や海を眺めながら過ごす時間を楽しむ、という心持ちで訪れるのが良いかもしれません。
コスパ最高なブンタウの観光を満喫しよう
この記事で解説したブンタウ観光の要点を以下にまとめます。
