
ベトナム中部の人気都市、ホイアンから古都フエへの移動を計画中ですか?この記事では、安い料金で人気のバスや風情ある電車(鉄道)、快適なタクシーやGrabといった多様なアクセス方法について、それぞれの行き方、気になる移動時間や距離、そして価格はいくらになるのかを詳しく解説します。快適なおすすめツアーから、フエからホイアンへの帰り方の情報まで網羅しているので、あなたの旅に最適な移動プランがきっと見つかります。
記事のポイント
- ホイアンからフエへの全移動手段の特徴と詳細
- 各交通機関の最新料金と所要時間の正確な目安
- 予算や旅のスタイルに合わせた最適な選び方
- フエからホイアンへ戻る際の具体的な方法
ホイアンからフエへの移動手段を徹底比較
ホイアンとフエの距離とアクセス
ベトナム中部に点在する世界遺産の中でも、特に人気の高い「ホイアンの古い町並み」と「フエの建造物群」。クアンナム省に位置するホイアンと、トゥアティエン・フエ省の省都であるフエは、実際の道のりで約130km離れています。この距離は、東京から静岡、あるいは大阪から名古屋までの距離感に相当し、日帰り旅行も十分に可能な範囲です。
ホイアンには空港や鉄道駅が存在しないため、フエへのアクセスは必然的に陸路となります。主な出発の起点となるのは、ホイアン市内、あるいは多くの旅行者がハブとして利用するダナン市です。ここから「バス」「列車」「チャーターカー」「ツアー」といった手段を使い、それぞれの特色を活かして古都フエを目指すことになります。旅の計画を立てる上で、まずはこれらの選択肢を大まかに把握することが第一歩です。
主要な行き方と移動時間
ホイアンからフエまでの所要時間は、選択する交通手段によって2時間半から4時間以上と、大きな幅があります。最も迅速なのは、貸切のチャーターカーやタクシーを利用する方法で、交通状況が良ければ約2時間半で到着します。これは、他の乗客を待つ必要がなく、目的地まで直行できるためです。
一方で、バスや列車を利用する場合は、ホイアンからダナンへの移動時間や、バス・列車の出発を待つ時間も考慮に入れる必要があります。そのため、全体の移動時間は3時間半から4時間ほどを見積もっておくと安心です。また、移動ルートには絶景で知られる「ハイヴァン峠」越えと、時間を短縮できる「ハイヴァントンネル」経由の2つがあり、どちらを選ぶかによっても所要時間や得られる体験が変わってきます。
ハイヴァン峠とハイヴァントンネル
「雲の峠」を意味するハイヴァン峠は、かつてベトナム北部と南部を分ける戦略的な要衝でした。頂上には今もレンガ造りの関所跡が残っています。「天下第一の絶景」と称される所以は、曲がりくねった道から見下ろすダナン湾と緑豊かな山々のコントラストにあり、多くのドライバーが写真撮影のために停車してくれます。ただし、天候が崩れやすい場所でもあります。
一方、2005年に開通したハイヴァントンネルは、この峠道をバイパスするためのものです。全長6km以上におよぶ東南アジア最長のトンネルで、移動時間を約30分短縮し、雨季などの悪天候時でも安全な移動を可能にしました。時間効率を最優先するビジネス利用やツアーバスの多くはこちらのルートを選択します。
一番安いのは路線バスでの移動
旅行費用を可能な限り抑えたい学生やバックパッカーにとって、路線バスは最も魅力的な選択肢です。料金は一人あたり15万VND(約850円)からと、他のどの移動手段よりも経済的です。ベトナムの大手バス会社であるThe Sinh TouristやPhuong Trang (FUTA BUS)などが、ダナンとフエを結ぶ路線を毎日多数運行しています。
ただし、前述の通りホイアンからフエへの直行便はありません。まずはホイアン市内からタクシーやグラブで約45分かけてダナンの中央バスターミナルへ向かう必要があります。そこからフエ行きのバスに乗車するという二段階の移動になる点を念頭に置いておきましょう。バスのチケットは、各社のウェブサイトでオンライン予約するか、ホイアンやダナン市内にある営業所、または提携している旅行代理店で購入できます。特に観光シーズンは混み合うため、事前予約が賢明です。
バス移動の注意点
バス移動の最大のデメリットは、乗り換えの手間と所要時間です。また、バスのシートはリクライニング式が多いものの、長時間の移動では体への負担も考慮する必要があります。大きなスーツケースを持っている場合、置き場所に困る可能性もゼロではありません。時間に制約がなく、コストを最優先する旅のスタイルに向いていると言えるでしょう。
人気の理由は観光付きツアー
言葉の壁や海外での個人手配に不安を感じる方、また限られた日程で効率よく観光したい方には、日帰りパッケージツアーが圧倒的に人気です。料金は一人あたり約240万VND(約13,600円)からと高価ですが、その価値は十分にあります。
例えば、ツアーの多くは以下のような内容を含んでいます。
- ホイアンまたはダナンのホテルへの往復送迎
- ハイヴァン峠やランコービーチでの写真撮影タイム
- フエ名物の宮廷料理を含む昼食
- フエ王宮、ティエンムー寺、カイディン帝陵など主要観光地の入場料
- 歴史や文化を深く解説してくれる日本語または英語ガイド
自分でチケットを手配したり、レストランを探したりする手間が一切かからず、ただバスに乗っているだけでフエの魅力を満喫できる手軽さは、何物にも代えがたいメリットです。特に、阮朝の歴史が色濃く残るフエでは、ガイドの解説があるかないかで理解度が大きく変わってきます。
ツアーは一見高く感じますが、交通費、食費、入場料、ガイド料を個別に支払うことを考えると、実はかなりお得な場合も多いんですよ。何より「時間」という最も貴重な資源を節約できるのが大きなポイントです。
風情ある電車・鉄道の旅
移動そのものを旅のハイライトの一つにしたいなら、ベトナム統一鉄道での列車旅がおすすめです。ホイアンから最も近いダナン駅まで移動する必要はありますが、そこからフエまでの区間は、この鉄道の真骨頂とも言える絶景区間です。車窓のすぐそばに美しい海岸線が迫り、緑の山々が連なる景色は、まるで映画のワンシーンのよう。特にハイヴァン峠の麓を走る際の眺めは格別です。
料金はエアコン付きのソフトシートで15万VND(約850円)からと、バスに匹敵する安さです。チケットはベトナム国鉄の公式サイト(dsvn.vn)や、現地の駅窓口、旅行代理店で購入できます。オンラインでの購入が最も確実で、座席指定も可能です。最高の景色を楽しむためのちょっとしたコツとして、ダナンからフエへ向かう際は進行方向左側の座席を確保すると、海をより長く眺めることができます。
列車利用の注意点
ベトナムの鉄道は、残念ながら定時運行が常に保証されているわけではありません。30分から1時間程度の遅延は日常的に起こりうるものとして、旅のスケジュールには十分な余裕を持たせることが大切です。また、駅の周辺には客引きなどもいるため、毅然とした態度で対応しましょう。
便利なタクシーの利用法
家族旅行や友人とのグループ旅行など、プライベートな空間を重視し、快適な移動を求めるならタクシーやチャーターカーが最善の選択です。ホイアンの宿泊先ホテルの玄関から、フエの目的地の目の前まで、一切の乗り換えなしで移動できる利便性は他の手段にはありません。所要時間も約2時間半と最も短く、時間を有効に使いたい方には最適です。
料金は車1台あたり約150万VND(約8,500円)が相場ですが、これはあくまで目安です。利用する際は、メーター制ではなく、乗車前にチャーター料金として交渉するのが一般的。その際、以下の点を確認しておくとトラブルを防げます。
- 最終的な総額(高速道路料金などが含まれるか)
- 経由するルート(ハイヴァン峠か、ハイヴァントンネルか)
- 途中下車の希望(写真撮影など)
信頼できるタクシー会社(緑色のマイリンタクシーや白色のビナサンタクシーなど)を選ぶか、ホテルのフロントを通じて予約するとより安心です。
Grabアプリは使える?
東南アジアの旅行に欠かせない配車アプリ「Grab」は、ホイアンからフエへの長距離移動でも利用の選択肢に入ります。アプリを開いて目的地をフエに設定すれば、概算料金が表示され、近くにいるドライバーとのマッチングが可能です。事前に料金が確定する明朗会計は、旅行者にとって大きな安心材料です。
ただし、いくつかの注意点があります。この長距離を片道で走りたいと考えるドライバーは、都市部に比べて少ないのが実情です。そのため、リクエストしてもマッチングしなかったり、一度はマッチングしてもドライバー側からキャンセルされたりする可能性があります。より確実性を高めるためには、Grabアプリ内のチャーター機能(Rent)を使い、時間単位で車を借り上げるか、あるいは前日までにドライバーと直接交渉して予約を取り付けるといった方法が有効です。料金はタクシーと同程度か、やや高くなる傾向があります。
目的別!ホイアンからフエへの移動プラン
各交通手段の価格を比較
ここまでご紹介した各移動手段の情報を、改めて一覧表で比較してみましょう。これらの価格や時間は2025年時点での目安であり、ベトナムの祝祭日(テトなど)や観光シーズン、また燃油価格の変動によって変わる可能性があることをご了承ください。
移動手段 | 所要時間(目安) | 料金(目安) | 特徴 |
---|---|---|---|
バス | 約3~4時間 | 15万~30万VND / 人 | 最も経済的。ただしダナンでの乗り換えが発生。 |
列車(鉄道) | 約3~4時間 | 15万~20万VND / 人 | 料金が安く、車窓からの絶景が最大の魅力。 |
タクシー/チャーターカー | 約2時間半~3時間 | 約150万VND / 台 | 最も速く快適。ドアツードアで移動でき、柔軟性が高い。 |
Grab | 約2時間半~3時間 | 160万~200万VND / 台 | アプリで料金が確定するため安心だが、長距離は要交渉。 |
日帰りツアー | 終日 | 約240万VND~ / 人 | 手配不要で安心。交通、食事、観光が全てセット。 |
結局費用はいくらかかる?
結局のところ、どのくらいの費用を見込んでおけば良いのでしょうか。これは、あなたの旅のスタイルと人数によって決まります。例えば、一人旅でコストを最優先するなら、ダナンまでのローカルバス代とフエまでの長距離バス代を合わせても、合計で1,000円から1,500円程度に収めることが可能です。
一方、カップルや夫婦での旅行で、快適さと時間を重視するなら、1台約8,500円のチャーターカーが有力な選択肢です。一人当たりに換算すると約4,250円となり、バスや列車に比べれば高価ですが、その価値は十分にあります。4人家族であれば、一人当たり約2,125円となり、乗り換えの手間や大きな荷物を持っての移動を考えれば、むしろ割安と感じられるかもしれません。
逆ルート!フエからホイアンの行き方
フエを観光の拠点とし、ホイアンへ日帰りや片道で移動する場合も、行き方は基本的に往路と同じ選択肢が利用できます。フエ市内にはThe Sinh TouristやFUTA BUSの営業所があり、そこでホイアン(ダナン経由)行きのバスチケットを購入できます。フエの主要なバスターミナルは市街地の南にある「Bến Xe Phía Nam」です。
鉄道を利用する場合は、フエ市中心部にあるフエ駅(Ga Huế)からダナン行きの列車に乗ります。駅舎自体もフランス植民地時代の面影を残す美しい建物です。タクシーやチャーターカーも、市内のホテルや旅行代理店を通じて簡単に手配できます。フエ発のホイアン観光ツアーも多数催行されているため、選択肢に困ることはないでしょう。
目的別おすすめの移動手段
これまでの情報を踏まえ、あなたの旅の目的に合わせた最適な移動手段を具体的に提案します。
こんな人におすすめ!目的別ベストチョイス
- 【安さ重視派】→ バス または 列車
費用を徹底的に抑え、現地の交通機関を体験したい方に最適です。特に時間に縛られない長期滞在者やバックパッカーには、ベトナムの日常を感じられる貴重な機会となるでしょう。 - 【快適・時短派】→ タクシー/チャーターカー または Grab
小さなお子様連れやご両親との旅行、あるいは短期滞在で時間を最大限に活用したい方におすすめ。乗り換えなしの快適な移動は、体力の消耗を防ぎ、観光を全力で楽しむための投資と言えます。 - 【絶景・体験重視派】→ 列車 または チャーターカー(ハイヴァン峠経由)
移動そのものを旅のハイライトにしたいなら、この二択です。車窓や展望スポットから眺める壮大な景色は、写真や動画に残す価値のある、忘れられない思い出になるはずです。 - 【安心・効率重視派】→ 日帰りパッケージツアー
初めてのベトナム旅行で手配に自信がない方や、歴史的背景を学びながら深く観光したい方にぴったり。専門ガイドの解説付きで、効率よく安全にフエの魅力を満喫できます。
まとめ:【初心者必見】ホイアンからフエへの移動ガイド!バス・列車・タクシーを解説
この記事では、ホイアンからフエへの様々な移動手段について、料金や時間、それぞれのメリット・デメリットを、より具体例を交えて詳しく解説しました。最後に、記事の要点をリスト形式でまとめます。
それぞれの交通手段が持つ特性を深く理解し、ご自身の旅のスタイル、予算、そして時間を総合的に考慮して最適な方法を選び、ベトナム中部の素晴らしい旅を心ゆくまで満喫してください。